そういえば前のネタでは「16弾ノーマルの元ネタ」については触れてませんでしたね。
せっかくなので今日はそっちのネタを拾いましょう。
16弾は異聖神配下のキャラということで従来のキャラとは命名則が異なり、
かなり妙ちくりんなキャラが多いのが特徴となってます。
しかも何がモチーフなのかよくわからないのも多いのですが…。
ということで調べてみた結果、実に面白い発見がありました。
途中で気づく人もいるでしょうが、まずはご覧くださいませ。
No.181 ほどほど観音 / 姿見水 / 欲貪
肉をくわえた犬が水に映った自分を見て、そっちのほうが大きいと思い
吠えかかったところで肉が水に落ちたという「犬と肉」という童話がモチーフ。
「欲貪」は「貪欲」を逆にしただけ。
「姿見水」は上記の寓話そのものを体現してます。
「ほどほど観音」は「欲張るのもほどほどに」ってぐらいしか思いつきません。
No.182 ジュピター坊 / 引抜ヱ門 / カザラス
この元ネタは童話「カラスと鳥たち」です。
ゼウスが「一番美しい者を鳥の王にする」とお触れを出しました。
自分が醜いと思ったカラスは他の鳥の羽を拾って体にくっつけました。
ところがゼウスに選ばれる寸前で他の鳥たちが偽りの美しさに憤慨し、
カラスが身につけた羽を取り去ってしまい、カラスはもとの姿になってしまいました。
「カザラス」は「飾る+カラス」。
「引抜ヱ門」はカラスから羽を引き抜くというシーンを体現してます。
「ジュピター坊」は「ゼウス=ジュピター」そのままです。
No.183 大鐘神 / サイレン徒 / ネスズミ
これは「ネズミの会議」ですかね。
誰が猫の首に鈴をつけるのか、という有名なお話。
「大鐘神」は鐘にまつわるキャラということでしょうけど何かイマイチ…。
「サイレン徒」は「サイレント」(静か)ですね。
「ネスズミ」は「ネズミ」+「鈴」。コレは簡単です。
No.184 時番主 / 帯衝刻 / 超ノロン
これは言わずと知れた「ウサギと亀」です。
「時番主」は「タイムキーパーマン」ということでしょうか。
「帯衝刻」は「ゾーン」「ショック」?
「超ノロン」は亀のイメージそのままです。
185 真因如 / トラッププン / 余尾銀
「尻尾をなくした狐」という話が元ネタ。
ある狐が罠にかかり、尻尾を失ってしまった。
それ以来他の狐から嘲笑されていた狐だったが、
「尻尾が無いほうが身軽だ。皆も切ったほうがいい」と勧めた。
すると一匹の狐がこう言った。
「君も尻尾を失うようなことがなかったら、我々を説得しようとは考えなかっただろうに」
「真因如」は「真因」+「真如」。ともに仏教の言葉です。
「トラッププン」はトラップ(罠)ですね。
「余尾銀」は尻尾と銀狐にちなんだ命名かと。けど尻尾を付け足すのは逆な気が…。
No.186 離団鬼神 / ポキポキたん / 三魔棒
「父親とその息子たち」という話が元ネタ。
いわゆる「毛利家の三本の矢」とほぼ同じ内容なのですが、
一本ずつでは折れやすい棒切れも束になれば折れにくいということで
仲の悪い息子達に団結の心を説いたという話です。
「離団鬼神」は「団結」がキーワードのようですが、離れてどうするんでしょう?
「ポキポキたん」はまさに棒を折る様を体現してます。
「三魔棒」は束になれば折れにくい棒切れそのものですね。
No.187 聖ピカギリ / つゆたま / ロバ獣
「ロバとキリギリス」というお話があります。
キリギリスの歌声に魅了されたロバが「何を食べればそんな美しい声が出せるのか」と尋ねました。
するとキリギリスは「水滴だよ」と答えました。
実践したロバは空腹ですぐに死んでしまいましたとさ。
「聖ピカギリ」の「ギリ」は「キリギリス」ですね。「ピカ」はよくわかりません…。
「つゆたま」はお話に出てくる「水滴」。
「ロバ獣」は「ロバ」+「化け物」でしょうか。
No.188 デクノ王 / サナギ太くん / 魔蛙玉
元ネタは「王様を求めるカエル」という話。
支配者が欲しいと神に使いを送ったカエルたち。
神は丸太を与えたがカエルは満足せず別の王を懇願する。
次に神はウナギを与えたがやはり満足せず別の王をねだる。
怒った神はサギを与えた。サギはカエルをみんな食べてしまった。
てなわけで、
「デクノ王」は役に立たない「でくの棒」+「王様」。
「サナギ太くん」は「サギ」+「ウナギ」+「丸太」。
「魔蛙玉」はカエルそのものですね。
No.189 アッシラ王 / おじぎ僧 / カシ鬼
「樫の木と葦」という話が元ネタ。
強風で倒れ川に流された樫(かし)の木がありました。
流された先で立っていた葦(あし)に樫の木は尋ねました。
「お前達はそんなにひ弱なのになぜ倒れないのだ?」
葦は言いました。「風と戦わずに頭を下げれば無事でいられますよ」
「アッシラ王」は「葦」に「阿修羅」を足したものでしょう。
「おじぎ僧」は頭を下げれば…という内容を具現化。
「カシ鬼」はまさに「樫の木」です。
No.190 日像殿 / またたびの / 寒プー魔
これは簡単、「北風と太陽」ですね。
「日像殿」は「日像」という鎌倉時代の日蓮宗の坊さん…ではなく、太陽のことですよね。
「またたびの」は旅人という意味の「股旅」。
「寒プー魔」は寒風から。
No.191 フラダンクィーン / ブヨン頭 / 魔オンドリム
これは元ネタがイマイチわかりません…。
オンドリが出てくる物語はいくつかあるのですが…。
「フラダンクィーン」は「フラダンス」+「ダンシングクィーン」でしょうか。
「ブヨン頭」は「ブヨ」+「音頭」でしょう。何故ブヨかというと、そういう物語もあるのです。
「魔オンドリム」はオンドリ(雄鶏)とドラムですね。
No.192 波濤明王 / ノコ座 / 大捕魔
漁師に関する物語もいくつかあったのですが、波との関連が見当たらないんですよね。
ってなんのこっちゃ?と思ってるアナタ、ネタばらしはこの後すぐに(^^;
「波濤明王」の「波濤」とは高い波のこと。
「ノコ座」はノコギリザメを縮めたのかと思われます。
「大捕魔」は漁師の使う網から来てるようです。
さてここまで12組のキャラを見てきましたが、彼らのモチーフには一つの共通点があります。
元ネタは全て「イソップ寓話」なんですよ。
だからフラダンクィーンや波濤明王もそこに元ネタがあると思われるのですが、
あいにくドンピシャな話が見つからないので…。
反後博士の記憶違いや物語そのものの改訂・アレンジが絡んでるかもしれないのですが、
少なくとも他の16弾キャラに関しては面白いぐらいイソップ関連ばかりでした。
これは個人的にも大きな発見でしたよ。
ついでに、悪魔に対して天使よりもお守りのほうが直接的に強いモチーフを持ってるような。
デクノ王よりサナギ太くん、離団鬼神よりポキポキたん、というように…。
最後に、今回はこちらのサイトを大いに参考にさせていただきました。
「「イソップ」の世界」http://www.geocities.co.jp/Bookend/9563/
いやはや、ビックリマンの世界はまだまだ奥深いですね。
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聖ピカギリはイギリスのピカデリーサーカスもかけてあるのではないでしょうか。
楽団みたいな格好ですし。
この場合のサーカスは円形広場の意味ですけど雰囲気はあるかなあと。
ふと思いついただけの駄コメント失礼しました。