公正取引委員会の勧告を受けてのシール材質の変更は、
チョコは17弾からでしたがアイス/スナックは5弾からでした。
しかし当時、大多数の方は「アイス版の仕様が変わったのは6弾から」と認識していたはず。
コロコロ本誌でアイス版サタンマリアが紹介されても、実際には入手できなかったため
本当にそんなのがあるのかと思っていた少年少女が多かったと思われます。
そもそもビックリマンアイスは全国同時展開されたわけではありません。
<コロコロ1987年1月号より>
<コロコロ増刊ビックリマン超特集2より>
<コロコロ1987年4月号より>
コロコロ1987年1月号で発売の第一報が報じられた際には東京・大阪・名古屋地区のみで、
3ヶ月後の4月号でアイスが第2弾に切り替わったニュースが掲載された際にも
北陸が追加されたぐらいで、近畿より西や東北以北はまだ発売されていませんでした。
(東北・北陸はスナックが発売されていた影響もあったようですが)
そのため、いわゆる後発地域では弾の進みが遅かったわけで、
例えば東京でアイス4弾が出た時期でも九州ではまだ3弾ということが普通だったわけです。
余談ですが、この格差を解消しようとある地域で5弾をすっ飛ばして6弾に変更したら
若神子ファンから抗議の手紙が来た、なんてことを反後博士がどこかで語ってましたね。
チョコ17弾が販売された頃、先行地域のアイスはもう6弾発売のタイミングだったため、
アイス5弾はチョコ版と同じ材質のままで、6弾からアイス版独自のシールになりましたが、
後発地域ではそれが5弾から導入されたわけというわけです。
事実、北海道や九州ではアイス版の5弾シールが当たり前のように出回っていて、
20年以上前にそっちの方とトレードした際にはレート感覚の違いに驚いたものでした。
ところで、アイス12弾は他の弾と比べて流通数が少なくレアとされていますが、
これは何故なんでしょうね?
アイス版は12弾からヘッドにプリズム素材が復活していますので、
同じくプリズムシール復活となったチョコ版22弾と同じ時期の発売でした。
具体的には1989年11月~12月頃の話です。
寒い時期にはアイスの売り上げは落ちると思われますので、
そもそも生産数が多くない、ということが考えられます。
ですがその理屈だと12弾以外でも冬に出たアイスのシールは希少になるはず...。
そこで一つの仮説を立ててみます。
チョコ22弾でのプリズムシール復活は、17弾以降で低迷していた売上回復の切り札として
OVAキャンペーンを打ったりテレビCMを作ったりするほどにアピールされました。
おそらくその効果を見込んで22弾の生産量も多かったのではと想像されますが、
そのあおりを受けてアイス版12弾シールの生産は控えめになったのではないでしょうか。
足りなくなるのであれば11弾までと同じ素材を使ってもよさそうですが、
取り扱う素材の数が増えると管理等の面でコストがかさんだりしそうですし。
(だとするとアイス版12弾以降のお守りがKinPMと同じ素材なのは説明付かないけど)
また、12弾まではヘッドの枚数が12枚(3キャラ×4ポーズ)でしたが
13弾以降でチョコ版と同じ種類しか作成されなくなったのは、
プリズムシールの印刷枚数を抑える目的があったのかもしれません。
だとしたら、造魔棒がドラゴットに変形するシーンや洗脳前のダークヘラや
ムガルの怪奇⇒聖梵変化などのアイス版独自形態が描かれる機会が失われたわけで、
それはそれで残念な流れと言えますね。
ちなみに12弾と並んでレア度の高い15弾については、
単純に打ち切りの弾で生産数が少なかっただけだと思われます。