世界で一枚だけのシール

この世には「サンプルシール」とか「試作版」と呼ばれるシールが存在します。
これらは混同される場合も多いですが、本来の意味から考えると全く別物で、
問屋やプレスの担当者に「見本」として配布されるシールが「サンプル版」
シール製作段階の途中で試験的に作られるものが「試作版」と呼ばれるべきでしょう。

サンプル版の最たる例としては、セレクション発表時に配られた素材違いのシールですね。
関係者が横流ししたと思われるものがオークションに出品されたり、
「アンオフィシャルシール」として公式サイトで紹介されてヒンシュクを買ったりしたものです。

一方、試作版というのはサンプル版と違って当事者が確認するためだけの代物ですから、
枚数もごくごく少数でしょうし、そもそも本来は世に出るはずの無いものです。
そういう意味では、やれブラックゼウスだのサンタゼウスだのスーパーオリオンだのと言っても
到底比較にならないくらいの希少性が試作版シールにはあるはず。
シールコレクターにとってはまさに垂涎の一品と言っても過言ではないかもしれません。

かく言う私も、長年コレクターやってるおかげで試作シールにはいくつかめぐり合いましたが
最初に試作版シールを一枚入手したときには
「うわ、こんなシールが世の中に存在するんだ!」と色めきたったものです(^^;

とは言え、決して広くないこの業界。
その当時は「世界で一枚しか無いのでは?」と思っていたその試作版も
実は他にも持ってる人が複数いることがわかってちょっとガッカリしたことも(爆)
最近ではオークションでも稀に出品されることがあったりして、
試作といっても10枚ぐらいは現存してるのかなあ、と考えてしまいます。

コレクターならば、「世界で一枚のシール」なんてのがあったら絶対手に入れたいと思うもの。
けど実際には、そういうものはなかなか存在しないみたいです。
むしろエラーシールとか関係者のサイン入りシールなどのほうが一点モノになりうるかも?

と言っても、試作版シールは基本的には関係者からの流出以外にはありえない代物。
それゆえ譲ってもらう場合でも入手経路を明らかにしてもらえない場合が多いみたいで、
ひいてはコレクター側でも所持していることを隠す傾向が強いように思われます。

まるで特別天然記念物を手に入れてしまった珍獣コレクターの心境ですよ(笑)

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