シャーマンかカーン

江ノ島コラボ第2弾の「えのしまビックリマン」の特典シールの一つ
「シャーマンカーシラス」

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シーラカンスっぽい名前ですがよく見れば「シラス」。
カーン様の扱いの低さに泣けてきますが、出番があるだけマシなほうでしょうか。

ところで、何故に「シラスカーン」などではなく「シャーマンカーシラス」という
名前の後ろ部分をいじったネーミングなんでしょうね?
コレクターの間では昔のパチシール「シャーマンカーをオマージュしたのではという
もっともらしいウワサもありましたが、私はここで異説を唱えてみます。

ずばり、シャーマンカーンの名前は「シャーマン」が本体説!

根拠は2つ。

一つは、「ひかり伝聖魔十戒」に登場したシャーマンカーンのルーツとされる
「シャーバサラ」の存在。
その名の通り、「シャー」(BMではしばしば「覇者」の意味で使われますが)となっており
シャーマンカーンとの共通性が名前の前半から見て取れるわけです。

でもまあ、「シャーマンバサラ」ではないし称号の方を受け継いだと考えることもできるので
正直こっちの根拠は薄いかな、と。

もう一つは、シャーマンカーン自身の頭上に浮かぶ無限理力わっかの名称

これ、カーンリングではなくシャーマンリングと呼ばれております。
スーパーゼウスは「ゼウスリング」
聖フェニックスは「フェニックスリング」
野聖エルサMは「エルサリング」
なのですが、シャーマンカーンだけはシャーマンリングという何ともイレギュラーな名前...。
やはりシャーマンが本体なんじゃないですかね?ね?

しかししかし、シャーマンカーンの「目」は「カーンアイ」というそうで...。
そもそもシール裏に「全情の神カーンは...」と書かれてるので、
普通に考えれば「カーン」が名前ですよねえ...。

余談ながら、「天使が悪魔になっちゃったビックリマン」でも
シャーマンカーンは「シャーマンブラック」という名前になっているそうですが、
近年の公式スタッフは何故に「シャーマン」を主に置いているのか、謎です。

54文字の物語

ビックリマンの裏面テキストと言えば、通常は18×3=54文字ですが
18弾ヘッドのメイドンから突発的に定形外なスタイルが登場するようになりました。

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14×3=42文字しかなく、その分フォントは通常より大きめ。
おそらくは、青年形態の虹神帝と比べて幼い印象を与える目的があったと考えられます。

しかしながら、何故だか続く18弾パート2のヘッドでも14×3を踏襲。
博士は文字数が少ないと考える量が減って楽だと考えたのか、
それとも文字が大きいと見やすいという反響でもあったのでしょうか?

と思いきや、次の19弾ではまた18×3に逆戻り。
元に戻って一安心...かと思ったら、20弾パート2でまたまた型破りなことをやりました。

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カーネルダークは、メインテキストが20文字しかありません!
いや、20文字というとその前のカーネルダースのウワサ欄の文字数と同じ。
むしろメインテキストが無くてウワサ欄しか存在しないと言えるでしょう。

裏面合体イラストをはっきり見せるための工夫なのかもしれませんが、
さすがにこれはやり過ぎではなかったかと...。

ですがこの趣向は21弾パート2の新ピアマルコ(K in PMなど)でも用いられました。
シール枚数が多いと文章を考えるのが大変なのはわからなくもないですけど、
裏面から得られる情報があからさまに削られるのは当時から苦々しく感じてましたね...。

その後、22弾では合体イラストを使いながらもテキストは18×3に戻りました。

u22012.jpg

最初からこの形式でよかったと思うのですが、そこに至るまで紆余曲折あった感じですかね。

以後、たまに変則的な文字数になっても基本的には18×3が用いられました。
3すくみの文字数とも統一できてますし、やっぱりこの文字数がしっくりきますね。

あの時君は若かった

私が幼少のころ、最初に入手したシールは第2弾の「神し魔い」だったと記憶しています。
あれ?違ったかな...。ともかく第2弾の悪魔シールだったのは間違いないかと。
小学校では3~4弾のころに大ブームになり、複数の男子児童がシールを学校に持ってきて
交換したり見せびらかしたり楽しんでいたものです。
(盗難騒ぎがあったり理不尽なゲームで巻き上げられたりという事件もありましたが...)

そのころはまだコロコロ等で情報が出回る前なので、シールのリストはおろか
見たことすらないシールも多く、特に第1弾は買っていた子もほぼいなかったため
パッケージに描かれている十字架天使やドジキュラーぐらいしか知りませんでした。
彼らの名前も、化粧箱(いわゆる「ビックリマン神社」)に書かれていたから
かろうじて知ることができたというレベルです。

しかしある頃から、いわゆるパチモノシールが出回るようになりました。
印刷の画質が悪くて一目でわかるような代物でしたが、
見たことすらなかった第1弾シールのデザインや裏面が見れるというのは貴重でしたね。
私は友人に見せてもらうだけでしたが、初めて十字架天使(のパチシール)を見たときは
「うわ、余白が広い!」と驚いたものでした(笑)

その後、5弾ぐらいから学校にシールを持ってくる子が激減。
お店では相変わらず購入しづらい状況だったのでブームは続いていたと思うのですが、
友人の少ない私はその後10数年にわたって誰ともトレードすることなく
細々とシールを集める日々を過ごすことになるのでした。
まあそんなに熱心でもなかったので、悪魔以外は半分も揃わないのが普通でしたけどね。
中には天使・お守りが2,3枚ぐらいしか入手できないまま次の弾になっちゃった時も...。

今でも当時自力で当てたヘッドは、その時の情景を思い出すことができます。
一日に何度も見返してニヤニヤするぐらいの魅力があったのですが、
今の商品にはそういう鮮烈なインパクトって無いですよね。

今のビックリマンシールって何なんだろうなあ。

PR大使ぶっちゃけ話

2014年9月28日に里崎智也氏「ビックリマン終身名誉PR大使」に就任して既に7年。
「名誉職」なら実際に活動しなくても別によさそうなものですけど、
ツイッターやYouTubeでたまにPR活動されているようですね。

それはそれで別にいいのですけど、多くのシールコレクターが辟易しているのは、
「里崎氏監修」と銘打ってリリースされる数々の「誰得」なコンテンツでしょう。

30周年の「BMオールスターシール」では多くのキャラが何故か野球と関連付けられ、
2018年の「ホロセレクション」では貴重な一枠に「里崎ゼウス&里ガシ魔」がねじこまれ、
2020年に「ビックリマンプロ野球チョコ」を監修するも大爆死したのは記憶に新しいところ。
2021年の「天使が悪魔になっちゃった」でもシール裏で謎の里崎氏アピール。

ぶっちゃけた話、里崎氏が監修して嬉しい要素がまるでありません...。

これがまだ「反後博士監修」「米澤稔氏監修」のように直接の関係者が関わるものなら
ファンにとっても意味があると思うし、見てみたいと思わせる魅力があるのですが
里崎氏は古参のコレクターやシールファンであってもそれ以上の存在ではなく、
こうもたびたびコンテンツに絡んでこられても全然嬉しくないんですよね...。
誰かが商品を監修する目的としては、「その人の実力や実績で商品力を上げる」とか
「その人自身の人気で商品を後押しする」といった効果が求められると思うのですが、
果たしてそのどちらも得られているとは言い難いような。

野球ファン・里崎氏ファンの方には嬉しい要素が少しはあるのかもしれませんが、
大多数のシールファンにとっては「興味が無い」と思われます。
むしろ興味が無いものを何度も押し付けられるので、不快感が増すばかりかと。

「天使が悪魔に...」に関しても、別に誰がキャラを選ぼうが知ったことではないのに
わざわざ里崎氏の名前を出すものだから、かえってヘイトが集まってしまう気すらします。

とは言え、実際のところ里崎氏の意向がどの程度存在するのかは我々からは見えません。
ロッテ本原氏が一方的に持ち上げているだけという可能性も往々にしてありそうですが、
何にせよ運営陣にはPR大使の売上・認知度向上に対する貢献度をきちんと精査された上で
今後の活動計画をご検討いただければ...と考える次第です。

夏の日の2007

かつて私がツテを頼って、大阪のグリーンハウス事務所を訪れたのは2007年の夏のこと。
(→こちらから
あれからもう14年も経とうとは、時の流れというのは本当に早いもので。

あの当時は「ひかり伝おとぎ」なんかが売られていましたが、GHのお二方はというと
超元祖32弾以降はセレクション系の復刻シール監修ぐらいしかお仕事されてなかったような時代。
コレクターの中でも米澤さん兵藤さんのお名前を把握している人は少なかったかと思われます。

その後、「ルーツ伝」からふたたび悪魔VS天使のメインデザイナーに復帰される傍ら、
ジパ伝や境外滅伝、タワスペなどの他社シールやその後のBMコラボ商品を手掛けられて、
いつしか「ビックリマン=GHデザイン」の構図が色濃くなり、
米澤さん兵藤さんのメディア露出の機会も増えていった気がします。

私がお会いした2007年では、色紙にサインをねだっても
「普段そんなことしないから困る」みたいな応答をされましたが、
2014年に原画展やサイン会が開催された際にはすっかりサインも手慣れてましたね(笑)

そういえば以前、何かの折にまた事務所に伺わせてもらってもよいか尋ねてみたのですが、
仕事上の関係者以外を招くことはNGになったという感じの返答をいただきました...。
確かに、本来それが普通だよなーとも思いましたが、一抹の寂しさも感じました。

原画展から既に7年が経過しましたが、いつかまた直接お会いできるといいなぁ。

裏ビックリマンならぬビックリマン裏

『全能の神ゼウスは、すべての悪魔をねじ
 ふせるオールマイティの切り札なのだ!!』

こちらは今さら説明不要と思いますが、
第1弾ヘッド・スーパーゼウスの裏面メインテキストです。

ところで話は変わりますが、悪魔VS天使が始まった当初のビックリマンシールは
ロッテが提唱していた「シール遊び」の道具だったことを覚えてますか?
悪魔シールを貼り付けられたら、お守りシールを上から貼って悪魔に反撃。
しかしお守りシールは透明なため悪魔を完全に封印することはできず、
不透明な天使シールを貼ることでようやく悪魔を撃退できる、という遊び方です。
いわゆる「はられたらはり返せ」ですね。

このルールは、わざわざ全ての3すくみシールの最下段に明記されていました。

悪魔シール:
★悪魔シールでいたずらされたら、天使
 やお守りシールでハリ返そう!

お守りシール:
★お守りシールで悪魔シールに反撃ダ!
 天使シールでとどめをさそう!!

天使シール:
★天使シールで、お守りシールを助けて
 悪魔シールにとどめをさそう!!

これらの文面は17弾以降で変更もされましたが基本的には同じ内容で、
誰もシールを貼って遊んでないであろう31弾まで律儀に踏襲されました。

このシール貼り遊びですが、原則的には「同じ3すくみに属するシールが条件」でして
鬼ガシ魔を貼られた場合に応戦可能なのはきびだんご三助か桃太郎天子のみ。
ここがシール遊びのゲーム性を高めている一要素ではあるのですが、
じゃあマークが同じシールが無いと打つ手がないのか...というとそうではなく、
トランプのジョーカーのようにどの悪魔に対しても有効なシールが存在したのでした。

それこそが「オールマイティの切り札」であるスーパーゼウスシール、というわけです。

さて、前置きが長くなりましたがここからが本題

3すくみシールにはシール貼り遊びのルールが必ず書かれていたわけですが、
ヘッドシール下段には「〇〇界のウワサ」のみで、遊び方については触れられてません。

...いや、本当にそうでしょうか?

そうです。

『全能の神ゼウスは、すべての悪魔をねじ
 ふせるオールマイティの切り札なのだ!!』

これこそが、シール貼り遊びにおけるヘッドシールの役割を説明したものなのです!

当時ヘッドシールという言い方も存在せず、他のシールとは一線を画す特殊なシールとして
「全能の神ゼウス(のシール)は...」という書き方になっているだけで、
2行にわたってシールの遊び方を説明している点では3すくみのそれらと同じなんですね。

もちろん、この文章がシールの中央に堂々と記載されていることからして
キャラクターとしてのスーパーゼウスの説明も兼ねていることは言うまでもありませんが、
シール遊びでも物語的位置づけでも最強であることを同時に示していたわけですね。

外因と書いて公式と読む

35弾では若神子ルーツ同士の衝突が大きな要素になっているようですけど、
アリババに関しては相変わらず外因に弄ばれているようで気の毒な限りです。

ところで、今回悪魔シールとお守りシールとしてラインナップされたことで
「アリババ」の文字が天使ヘッド・悪魔ヘッド・天使・お守り・悪魔を網羅しました。
あとは次代とお守りヘッドがあれば完璧ですが、それはさすがに無理でしょうか(笑)

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