やることだけは傾奇者

オリンピックでの外国人観光客を狙って企画されたのが
2020年発売の「ビックリマン歌舞伎チョコ」だったそうで。

https://rocketnews24.com/2020/07/01/1388628/

しかしながらコロナ禍での渡航制限やオリンピック延期の影響で
狙いは大いにハズれてしまい、大量に売れ残っているのをよく見かけたものです。

でも予定通りオリンピックが開催されていたとして、これ売れたでしょうか?
ちゃんとした歌舞伎の食玩ならともかく歌舞伎モチーフのデザインというだけでですし、
ビックリマンもキティちゃんほどの知名度があるわけでもないので、
ぶっちゃけ反応は微妙だったんじゃないかと思うんですよね...。

なので、ロッテ社内での振り返り会議とかで、外国人相手に商売できなかったことを
売上げ低迷のもっともらしい理由として誤魔化してやしないかと思ったりなんかして。
もしそうじゃないなら、今年のオリンピックに合わせて
歌舞伎チョコ第2弾をリリースするはずだと思うのですが、どうですかね??
(再延期・中止のリスクもあるし話題性も落ちるので、やらない可能性が高いでしょうけど)

歌舞伎風の描き下ろしデザインは、それ自体は別に悪いとは思いませんが、
一般受けするかと言われると単体で興味を引くほどじゃないかなあ?
それより、歌舞伎チョコに生産リソースが割かれたことで
「天使だらけ」「悪魔だらけ」の生産数が抑えられてしまっていたとしたら
残念な判断だったかもしれませんね。

ソロモン王の秘密?

唐突ですが「ソロモン王」といえば、古代イスラエルの王・ダビデの子にして
エルサレム神殿を建造したといわれる歴史上の知者。
そのソロモン王は、先日火災に見舞われたノートルダム大聖堂にて
数多く並ぶ彫像の一つにもなっていたのですが...。

soromon.jpg

右手に杖。
左手に二冊の書物

なるほど、あのヘッドのモチーフはこの方でしたか。


そんなわけで今回は野聖エルサMについて。

名前のモチーフは「野生のエルザ」というイギリスのノンフィクション作品で、
エルザとはライオンの名前です。
といっても反後博士的にはイスラエルの聖地「エルサレム」ありきで、
野生のエルザおよびライオンのイメージはダジャレ的な副産物と思われます。

苦戦する聖戦士軍団に「知恵」を授ける役目を担う助っ人として
預言者とも魔術師ともされるソロモン王はうってつけのモチーフかと。
旧約聖書ではソロモン王が72の悪魔を封印したという話もありますし、
超魔獣(=魔スタリオス)の左腕を封じた杖を持つことにも通じますかね。

ということで、「野聖エルサMはエルサレムが由来」とだけ言われても
「なんで?」としか思えないでしょうけど、こうしてネタを深掘りしていくと
思いもよらない発見があって面白いなあというお話でした。

エルサMに限りませんが、宗教っぽく感じる部分を巧妙に隠している気がするのは私だけ...?

裏ビックリマンの日っていつだっけ

裏ビックリマン(2019年版)は、前年にイオン限定で出たものより
描きおろしが多くて、手抜き感がかなり薄らいでいるようですね。

ネタ自体は性別入れ替え属性入れ替えといった
同人的でありきたりなものが多かったものの、
それをGHがやるということに意義があるという印象。
ぶっちゃけ、いたずらにストーリーを書き換えられたり
俗っぽい着せ替えイラストを展開されるよりは
はるかに「マシ」だったと言えるのではないでしょうか。

神帝隊のうち一度も悪魔化したことのない3名が
もしも悪魔になったら...という「悪帝」も、
なかなか見ごたえのあるイラストだと感じたものです。
個人的には、背景の配色が神帝と敵対した悪混鬼と合わせてあるのが
心憎い演出ですよね。

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だからこそ、裏イラストを抜き出しただけのシールとか
「裏」とは何の関係もない人狼シールなどを混ぜ込むのは
企画の評価を下げるだけなのでやめてほしかったです...。

ともあれ、今回のようなセルフパロディー企画が好評だったら
また続編が登場するかもしれませんね。

でもこの商品を肝心な「裏ビックリマンの日」に展開しなかったというのが
一番残念なところなのは間違いないです。