墓なんて出てこないけど六つ墓村・前編

最大のミステリーは「誰がこの脚本にOKを出したのか?」
…と思わず叫びたくなる、何とも不可思議な超展開の37話。
冒頭から最後まで一貫して横溝作品のオマージュ的な展開で、
全体におけるハピラキ部分はほぼ「キャラクター」のみなため
ハピラキらしさがほとんど無くて、これは何のアニメなのかと頭を抱えてしまいます。

パロディとしての出来や再現度はそれなりなのですけど、
この展開を誰が望んでいたというのか…。理解に苦しみます。

さて、物語はとある田舎の風景から…。

見慣れない衣装のレギュラー陣が見上げる先には…

巨大カエル像に挟まれて絶命していたヤマトの姿が…

ヤマトの身に一体何が起きたのか?つーか、何このアニメ??
ナレーションのゼウスも「何何何~?さっぱりわけがわかんないなあ~!」と叫ぶばかり。

ここで時間は少しさかのぼる…。

ちり紙交換の業者にトイレットペーパーを交換してもらう一人の少年。
「これだけ?じゃあせめて花柄にしてください。奥様は花柄が好きなので…」
と交渉する少年。
すると「おーい、源太!と少年を呼ぶ声。

「八平(やへい)様!」と振り向くと、そこには身なりのいい青年が。

八平から古新聞の束をもらい礼を述べる源太。
さらに、「持郎(じろう)様」と呼ばれる別の少年も登場。
何やら性格の悪そうな少年なのですが…。

三人が顔を合わせたそのとき、一瞬世界がブレて…

「あれ?俺達こんなところで何やってんだ?」
「いつのまに着替えたんでしょう?」

…これまで全く別の「源太」「持郎」「八平」になりきっていた様子だったのが、
何かの拍子で元の「ゲンキ」「ジェロ」「ヤマト」に戻ってしまったようです。

「秋の里」にやってきていたはずなのに、ここがどこなのかもさっぱりわからず
お互い変な名前で呼んでいたことなどわけがわからず頭を抱える3人。
「いつどうやってここに来たのか、全く記憶に無いのですが…」

ひとまず様子を調べることにした3人。

ここで謎の老婆2人が「カエル様の呪いじゃ~」とつぶやくシーン…。

ラミバッカスって女だったの?(笑)

雷鳴とどろく謎の村で、事件が起こる!

のんきに温泉にでも入ろうというゲンキに、「僕達は天児スサノ様を探して…」
旅の目的を念押しするヤマト。
結局、もう少し村の様子を見ることに。

すると村で見つけた巨大なカエル像を見上げる3人。
「どうやらこの村ではカエルの神様を信仰しているみたいですね」

ふとゲンキが供え物のダンゴを見つけ、手を出そうとしたそのとき。
通りすがりの村人たちが叱責しようとしますが…。
「こ、これは下呂神(げろがみ)家のおぼっちゃまたち!」
「げろがみけ?なんだそりゃ」
と尋ねるゲンキに対し
「このたびはご愁傷様でございました」と頭を下げる村人。

どうでもいいけど、ちり紙交換のおっちゃんと同じ顔ってどうよ??

「…どういうこと?」
「さあ」
「わけがわかりません」

それは視聴者のセリフです(爆)
どうやら「下呂神家の大旦那様」という人が最近亡くなったということのようですが…。

すると「ぼっちゃまー!奥様がお呼びでございます!」と、少年が走ってきました。

「さあ、八平様!持郎様!」と急かす少年(字幕によれば名前は「正太」です)。

「ねえねえ、ヤヘイとかジロウとかって何のこと?」とゲンキが尋ねると
「おい、ぼっちゃまたちに馴れ馴れしいぞ!」とどやされてしまいました。

そんなこんなで、正太に連れられて下呂神家の屋敷にやってきた3人。
すると「あなたたち、どこに行ってたの?」と鋭い女性の声が。
「今日はお父様の遺言状を読む大切な日というのに…」
玄関の奥から現れたのは、なんと…。

「おまえは!」
「ネロクィーン!」
「何やってんだこんなところで!」

思わず大声で叫んだヤマトでしたが、
「何ですか!母親に向かってその口の聞き方は!」と強烈な平手打ち。


「は、母親…?」

「へー、そうだったんだ!ヤマちゃんのお母さんてネロクィーンだったんだね!」
「そんなわけないだろ!」

ごもっとも。しかし、母親役が異様にマッチしているのですが(笑)
そんなゲンキに対しては、トイレットペーパーを持ってこなかったことで
「この役立たずが!」と一喝。

叱られたゲンキはとぼとぼと炊事場へ。
するとさっきの少年・正太が「ぼさっとしてないでダシをを取れよ」と指示。
しかしゲンキは昆布をかじって「硬い、ドンラッキー」とかボケまくり。

正太の話によれば、ふたりとも小さい頃からこの家のお手伝いとして働いていて、
奥様を怒らせたら村で居場所が無くなる
ということを心配しているそうです。

場面は変わって、座敷。
奥様と、正装したヘルリスト、さらに氷ミコイエロスもいます。

案内されたヤマトとジェロはそのキャスティングに驚きますが、
ヘルリストは下呂神家の長男「春彦」で、氷ミコは血のつながりのない妹「美樹子」とのこと。

「もうだめだー!ついていけない、この状況!」と頭を抱えるジェロ。

いやだからそれは視聴者のセリフですってば。

今日は大旦那様の遺言状が明らかになる日で、
下呂神家のお宝を誰が相続するかが決まる大事な日だそうです。

「ネロクィーンが母親で、ヘルリストが兄さんで、氷ミコが妹だなんて」
「最悪です…」

と愚痴をこぼすヤマトとジェロ。

そんなこんなで、全員揃ったところで遺言状を読み上げるよう弁護士に促す奥様。
春彦が「純子のやつがまだ来ていないようだが」と口を挟みますが
「いいのよ、あの子は3年前に勘当したんだから」
まだ他にも兄弟がいるようです。ありがちな設定ですね(パロディだから当然ですが)

「では、下呂神家の顧問弁護士として、亡くなった先代・下呂神下呂左エ門の遺言状を読み上げます」

イエロスもいつもの無駄に陽気な口調は封印。こいつが黒幕というわけではないようですね…。
遺言状の内容は下記の通り。

一、下呂神家で最も価値のある『開かずの秘宝』は、末娘の美樹子に譲ることとする。

一、相続の条件として、美樹子は下呂神家の長男である春彦、次男である八平、三男である持郎、

  このいずれかの者と結婚しなければならない。

  ただし三人の息子達が死亡した場合、結婚する必要は無い。

  また、美樹子が死亡した場合は、『開かずの秘宝』は下呂神家一族の間で分配される。

以上。

この内容に、真っ先に長男春彦が激怒。
「ふざけるな!美樹子は元々この家の人間じゃないだろう!」
至極もっともな意見ですが、
「お黙りなさい春彦!遺言状は絶対です」と叱責する奥様。
当の美樹子は、予想外の展開に困惑を隠せない様子…。

一方炊事場のゲンキは、「開かずの秘宝か!それって食えるのかな」と相変わらず。
正太の話だと、売れば何でも好きなものが一生食えるぐらいの財産らしいのですが
誰も見たことはないらしいです。なんでも、一度見たら死んでしまうとか…。
でもそれって、意味ないじゃん??

さて、廊下を歩くヤマトとジェロは「どうする?これから」と思案中。
ネロクィーンたちが完全に違う人間になってしまっている上に、
これから財産争いが始まりそうな展開にうんざり。
「とっととこの村から抜け出して、旅を続けないか?
なんか生々しくて気味が悪いよ」
とヤマト。全く同感です。

しかしジェロは、まだ謎が全然解けていないことを指摘。
もう少し様子を見ることになりました。

ゲンキはというと、正太からゴミだしの仕事を任されているところに
陰から涙目で見つめる美樹子の姿を発見。
「おまえヒミヒミじゃないか?何やってんだ?こんなとこで」
自分がこんなところで何やってるのかわかってないくせに何を言っているのやら。
そんなゲンキが近づこうとしたところ、美樹子は逃げ去ってしまいました…。

「…なんだあいつ?」
なんというか、ゲンキ君は鈍感です。

「源太さんのバカ…!」と、泣きながら森を走る美樹子。

するとそこに春彦が登場。
泣いている美樹子を優しく抱きしめますが…
「なにせお前は俺の嫁になるんだからな」

驚いて離れる美樹子。
「喜べ。指輪を買ってやったぞ」
嫌がる美樹子の指に無理やり指輪をつけさせようとする春彦。

そこへヤマトとジェロが「その手を離せ!嫌がっているじゃないか」と介入すると
「うるせえ!」とヤマトを殴り倒す春彦。
(ヘルリストごときが強くなったものです)

「美樹子は俺のものだ!絶対にお前らには渡さねえからな!」と言い残し立ち去る春彦。

「しっかりして、八平にいさん!」と美樹子が呼びかけると、
目を覚ましたヤマト王子は…

「美樹子…君の瞳の中に私がいる…愛に溺れそうな私が…」
と突如歯の浮くセリフ。
「美樹子、結婚してくれ!二人で愛という名の大海原で泳ぎ出すんだ!」
そう言いながら口付けをしようと近づくヤマト…。

すると「いや!」と拒絶し、逃げ出す美樹子。
ジェロが「何やってんですか、ヤマト王子!」と声をかけると
「ヤマト王子だと?何を言っている!私は下呂神家の次男、下呂神八平だ!

どうやら、殴り倒されたショックで再び物語に取り込まれてしまったようです。
「美樹子は誰にもやらん!私は必ずや美樹子と結婚し、開かずの秘宝をこの手に握ってみせる!」
そう言ってその場を立ち去る八平。
「そんな…ヤマト王子まで別の人間にー!」と頭をかきむしるジェロ。

その夜。

風呂場で「私はどうしたら…」と悩む美樹子。

その付近を何故かうろついていた春彦でしたが、そのとき謎の鎧武者と遭遇!
そして…。

「ギャー!!!!」


夜が明け、客を乗せて村を走る一台のタクシー。

「お客さん、東京の人でしょ。見ればわかりますよ」と運転手。
(この運転手も他の村人と同じ顔)
しかしバックミラーでよくよく顔を確認した運転手はふとあることに気付きました。

「もしかしてあなた、下呂神家の純子様じゃありませんか?」
「…停めてちょうだい、お釣りはいいわ。ガムでも買いなさい」

そう言って下車した女性は、いかにも都会ずれしたようなきらびやかな姿。
「そのおしゃべりな口を黙らせるガムを」

一方そのころ、なんと村の沼で春彦の死体が発見されました。

どうせなら水面からさかさまに下半身だけ見える形ならよかったのですが、
それだと誰なのかわかりませんね(笑)

そして春彦の付近には無数のカエルの足跡らしきものが…。

さらにどこからか流れてくる、謎のわらべ歌。

♪愛しいあの子はどこ行った、どこ行った…
カエル様と沼で遊んで、死んじまった、死んじまった…

そこへ、正太がやってきて「大変です、純子様がお帰りになりました!」と報告。

場面は変わって、屋敷の座敷。

「どういう事なの?開かずの秘宝を美樹子が相続するなんて!」と息巻く純子。

「あれは私のものよ!」と激高しますが、八平は3年前に勘当されているため何の権利も

無いと一蹴。
さらに「どうせ東京で借金でも作って、のこのこ帰ってきたんだろ?」と皮肉られると
「そうよ、あたしはお金が欲しいの!銀座でお店を出したいの!」とぶっちゃけトーク。

「開かずの秘宝がダメなら現金でいいわ。お金をちょうだい、お金を!!

声優さんはみんな普段とは違う声の出し方をしていて、それはそれで面白いのですけど…。

「…ああ、なんて生々しい…もうイヤです、こんな世界」と眉をしかめるジェロ。
どう考えても日曜の早朝向けじゃないですよねえ。

そこへ、突然ふすまを開けて身なりの汚い男が登場。
「ちょいと失礼しますよ」

彼こそ、春彦が殺された件で村の駐在さんに依頼された私立探偵・銀田一毛助(ぎんだいちもうすけ)
最近抜け毛がひどくて頭をぼりぼりかきむしるのが癖のようです。
(しかし、ある意味主人公なはずのポジションにウルフライを持ってくるとは(笑))

そんな生々しい場面とうらはらに、ゲンキと美樹子は草原を走り回っていました。
「わー、いい眺め!」
「二人だけの秘密の場所…昔ここでよく一緒に遊んだよね」
「…ん、うん…」

そりゃゲンキは知ってるわけありませんから。

「ねえ、覚えてる?子供の時、約束したこと」
「約束?」
「私と結婚してくれるって」
「えええ、け、結婚!?」

ゲンキ、本当に脈無しなんですねえ…。

そんなゲンキの気持ちとは裏腹に
「私、財産なんていらない!源太さんがいればいいの!」と叫ぶ美樹子。
そしてゲンキに抱きつくのですが、ゲンキは本気で「離してよ~」と抵抗。あらら。

さて場面は再び下呂神家。
廊下を一人歩いているジェロは、奥様と銀田一の会話を偶然耳にします。
「おそらく春彦さんは、下呂神家の財産争いに巻き込まれて殺されたんです。
見せてもらえませんか?下呂神家に代々伝わる、開かずの秘宝というやつを。
カギは貴女が持っていると聞きましたが…」
「なりません、開かずの秘宝を見ることができるのは、正統な相続者だけです」

そのとき、ジェロの存在に気付いた奥様。
ジェロ、てゆーか持郎を猫かわいがりしている奥様はジェロに抱きつきます。
「やめてください~」と嫌がりながらも、ジェロは奥様の袖口からしっかりカギを…。

ジェロは開かずの秘宝の正体を暴くことで、村の秘密が明らかになるかもと考えたようです。
さっそくカギを使って、秘宝がある開かずの間に忍び込んだジェロ。
その最奥部でついに秘宝の箱を見つけたジェロが、ついに箱を開いたそのとき…。

場面は再び草原。
既に夕方。かなり長い時間、美樹子はゲンキに抱きついていたようですね。
「ヒミヒミ~、いい加減離してよ」
「イヤ!ずっとこのままでいたい…」
「困っちゃうな~」

すると八平が登場。
「あ、ヤマちゃん」
「誰がヤマちゃんだ。お前ごときが美樹子に手を出すとはいい度胸してるじゃないか」

さらに「全くだぜ」とジェロの声。

そう、ジェロは秘宝を見た瞬間に物語の登場人物になってしまったのでした。
「わー、ついにジェロまで…」
「俺様は下呂神家の三男、昇り竜の持郎よ!」

おいおい、持郎ってこんなキャラ設定だったんですか(笑)

そして美樹子を巡って兄弟の醜い争いが。

つかみ合いを止めようとしたゲンキは二人に殴り飛ばされて…。

捨てゼリフを吐いて別方向に立ち去る八平と持郎。
(なんでみんな途中で立ち去ってしまうんだろ)

あわてて美樹子はゲンキに助け寄りますが、
「こ、これは美樹子様!もったいのうございます…オラのような者にそんな…」
そう言って美樹子を残して逃げさるゲンキ、もとい源太
ああ、これでまともな人がいなくなってしまいました。

その夜。
トイレから出てきた八平のところに、あの鎧武者が現れて…。

「ギャー!!!!」

再び流れるわらべ歌。
♪愛しいあの子はどこ行った、どーこ行った…
カエル様に食われちまって、死んじまった、死んじまった…

朝になり、一同が見上げたカエル像の口には
変わり果てた八平の姿があったのでした…。


と、いうところで次週に続く!
本筋と無関係なパロディで2週も引っ張るなという感じですけど、どうまとめるつもりやら…。

ちなみにラストのハピラキ質問コーナーですが、
今週は「純子の部屋」

「今週のビックリマンはギャグが足りなかったようなので、もっと笑わせてください」
という質問というか嘆願でしたが、
これに純子様は大人の一発ギャグ(てゆーかダジャレ)で見事応戦。
はあ…。

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