ヒンドゥー教における神・シヴァとその妻パールヴァティーが合体した
「アルダナーリーシュヴァラ」と呼ばれる形態があるそうです。
どんな姿かというと、右半身がシヴァ神で左半身がパールヴァティー。
まるで漫画か何かのように正中線を軸に半々がくっついた姿と言われています。
そんなわけでご想像のことかと思いますが、今回のテーマはこの人。
Fuzzy M.R
天使と悪魔の最強ヘッドが融合した姿とされていますが、
これまた何の因果か右と左でがっちゃんこ。
右側(向かって左側)が「シヴァ」というのは同じですけど性別は逆ですね。
とは言え左右半々なのは頭部のみで首から下はいまいち判然としませんが、
デザインの下地にアルダナーリーシュヴァラがあるのは間違いないでしょう。
これをやりたかったからこそ、マリアに「シヴァ」とつけた可能性すらありますね。
ところで「Fuzzy」というのは、1990年に新語・流行語大賞にもなった言葉で
あいまいさ・柔軟性の意味があり、AIに人間の持つあいまいな感覚を持たせようとした
「ファジー理論」「ファジー制御」なんてものが話題になった時期でした。
(ちなみに19弾の発売は1989年なので時代を先取りしております)
では、それとFuzzy M.Rに何の関連があるのでしょうか?
「博士、ファジーって言いたかっただけじゃね?」という気もしますが
きっと「天使と悪魔」という二極的な対立構造をAIの0か1かの世界と重ねて、
「聖魔の境が溶け」という裏書の一文にファジーの意味を乗せたのでしょうね。
天使は天使、悪魔は悪魔。
けどそこから両方の境がファジーに混ざり合った新たな存在が生まれる。
それを体現しているのが、境界が明確な融合体であるM.Rと、
境界が見えないMR.(ミスター)との違いなんですかね。