2015年発売の別冊宝島「ビックリマンシール大全集」には、「聖核伝命ノ書」と題された
キャラクターの設定画を公開するコーナーが掲載されてました。
キャラのイラストの各パーツに手書きのメッセージが付けられており、
紙の端には「コロコロ柏原殿」「小五川田殿」「小学三年生松井どの」
など、この資料をFAX等で送った相手と思われる名前が記されています。
ここに記された設定情報が、コロコロコミック等の雑誌に掲載される際、
多少平易な文章に置き換えられたりして掲載されたんでしょうね。
そういう意味ではこの手書き文書はまさに「原典」ともいうべきもので、
いまだ公開されていない資料にも陽の目を見させてほしいものです。
実際、この記事には「今回紹介したのはほんの一部」「再公開の機会はきっとあるはず」
とも書かれていましたが、その後「聖魔ジャバラップ」で創聖童鬼が公開された以外は
今もって展開される様子は無いですね...。
ところでこのページ。
マル秘マークで隠されている中にジャーニ・ヤマトの設定画が見えますが
そこには「AMC渋谷どの」と書かれているように見えます。
(その下には「コロコロ100% くぼうちどの」と書いて消されてるようですけど)
AMCって、どこ?
これまでの流れからして、送り先はヘッドの図解を必要とする相手でしょうから
雑誌社もしくはアニメ製作会社などと思われますけど、
26弾の頃は学年誌は全てビックリマンから撤退してますしアニメも終わってますし、
かろうじてシール情報を扱っていたのはコロコロやてれびくん、月刊OUTぐらいで
AMCと略されるところは無さそうなんですよね...。
ひとまず「AMC」「渋谷」を頼りにいろいろググってみたところ、
とあるドラマCD?の演出担当に気になる名前を発見。
1990年なら時代は合うものの、ビックリマンとの関連が見えないなあ。
...って、あれ?
「高野富士雄」
同じAMCの方のようですけど、どっかで見た名前...。
これか!!
ゲーミングストーリーブックの著者としてファンには知られる方です。
それっきり他で見かけないので、謎の人物としても認知されているのですが...。
ということは、AMCってアミューズメントクラブ・プロダクツの略ですかね。
でもゲーミングブックは1989年の7巻「次動ネブラ大戦争!」で終わってるので、
ジャーニ・ヤマトの設定を使う場面は無さそうなんですよね。
うーん、ここまできて迷宮入り??
いや、ちょっと待ってください。
26弾頃でもまだビックリマン情報を扱っている媒体が他にもありました。
「ビックリマンエキサイティングテレホン」です!
ドラマ仕立ての物語とシールの最新情報を3分間の電話で毎週提供するこのコンテンツ、
1988年6月15日に開始して以降、連綿と1991年3月ごろまで続けられました。
パンゲでバンプピーターとエンパイア一本釣が戦うあたりまで描かれていましたので、
ジャーニ・ヤマトのパーツ設定を反映した内容があっても不思議ではありません。
...ていうか、実際にそういう回があったようです。(⇒参考:http://jidounebura.web.fc2.com/eki/52.htm)
また高野氏といえば、ドラマCD「新たなる出発(たびだち)」にて
エグゼクティブプロデューサー兼作曲担当として名を連ねております。
よく見れば「Presented by AMUSEMENT CLUB PRODUCTS」って書いてますね。
ドラマCDのブックレットより
思えば、ゲームブックの帯にエキサイティングテレホンの案内が書かれていたり、
テレホンで何度も「新たなる出発(たびだち)」の宣伝が流れたりしたのも、
エキサイティングテレホンがAMCで手掛けられていたとしたら納得です。
ゲーミングストーリーブック1巻の裏
考えてみれば、どちらもシールをベースに独自の脚本を作ってドラマにする点で
ほぼ同じような仕事ですね。
ということで、思わぬところから大きな疑問が(たぶん)解消されたのでした。
ところで、AMCの渋谷さんは今でも日本コロムビアでご活躍中のようなのですけど、
高野さんの足取りはというと、2004年に音楽出版社を立ち上げ、
2013年にはレーベルを分社化したりと音楽業界で活躍中...
といった話がヒットしましたが、同一人物かどうか確証がないのでこの辺で。
それにしても、、
見事にこの時期にだけゲームブック執筆活動。
どういう方なのだろうか...?