火中の栗を拾う鶴?

突然ですが、吉福NANが左手に持っているこれ、何なのかわかります?

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まるで栗が燃えているような不思議な物体です。

これは実は「宝珠」「如意宝珠」と呼ばれる仏教的なアイテムで、
願いを叶えてくれるありがたい代物だそうな。
地蔵菩薩や虚空蔵菩薩などが手にしていることもある由緒正しい物体なのですが、
七福神には特に何の関連も無さそうです。

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(画像は東京国立博物館所蔵金銅火焔宝珠形舎利容器

ちなみに、この人も似たものを持ってます。

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まあ、とりあえずなんか仏具でも持たせとけ的な意味合いなんでしょうね。

値上げに音を上げるのネ

8/16に東日本先行でワンピースマンチョコREDが発売になりました。
例年、夏から秋にかけてその年一番と言えるビッグコラボを投入する傾向がありますね。
過去の例を紐解くと...。

2015年:STARWARS×ビックリマンチョコ <Episode I・II・III><Episode IV・V・VI>
2016年:よしもとビックリマン芸人チョコ <連合軍芸人編><関西出身芸人編>
2017年:AKBックリマンチョコ <チームEast><チームWest>
2018年:ドラゴンボールマンチョコZ/ドラゴンボールマンチョコ超
2019年:機動戦士ガンダムマンチョコ <地球連邦軍><ジオン公国軍>
2020年:エヴァックリマンチョコ <新劇場版:序&:破><新劇場版:Q>
2021年:鬼滅の刃マンチョコ2

従来はこれらは同じ商材を東西入れ替えで2クール展開してましたが、
昨年の鬼滅の刃2ではこの流れを踏襲せず東日本先行のみ。
今回のワンピースマンチョコREDでも同様のようです。
(呪術廻戦マンチョコが微妙な成果だったことも影響してる??)
過去に実施したコラボの続編という点ですでに目玉級ではない気もしますが、
世間をびっくりさせる新規性より確実に売れる安定性を重視し始めたんですかね。

ところでワンピースマンチョコREDでは、昨今の物価高騰の影響で
商品単価が税抜120円になりました。
これまでコラボシリーズは基本的に税抜100円でしたので、
一気に2割増となった計算です。
値上げの流れはロッテだけでないとはいえ、なかなか厳しいところでしょう。
今後コラボ以外のシリーズも80円→100円ぐらいになることが予想されます。

ところでビックリマンの価格というと、いつも「昔は30円だったのに」と言われますけど
あの頃と比べるとそもそもチョコのサイズが全く違うので、
比較するならスーパービックリマン(1991年)の単価である50円と比べるべきですよね??

その後、ドッキリダービーや運の王様や超念写探偵団などもずっと50円。
ビックリマン伝説復刻版(1998年)から何故か60円になりました。

そして次に単価が上がったのはビックリマン20th Anniversary(2005年)のとき。
この時はシールサイズが52ミリから48ミリに原点回帰し、一気に1個80円にアップしました。
ちょうど景品表示法が改正され、中身の見えないシールは景品とみなされたため、
価格の2%以内のものしか封入できなくなったことが要因と考えられています。
シールの原価は公開されてませんが、60円×2%=1.2円より上だったんですかね。

それから17年。

ピーナッツもアーモンドも入っていないジャリジャリのウエハース
コスト安そうなエンボスシールやプリズム風のシール等で価格維持してましたが、
とうとうしのぎ切れないところに来てしまったということでしょうか。

と言っても、シールに不満が無ければ価格はそこまで問題ではない気がします。
昔と比べて材質や力の入れようがあからさまに劣っているからこそ、
値段の割に高すぎるという印象を持たれているのではないでしょうか。

オリジナルのボイスが聞けるとかいう付加価値をつける試みもいいのですけど、
値段に見合ったシールを出してほしいというのがファンの総意かなあと思います。

でなけりゃ、チョコを小さくする「実質値上げ」の導入ですかね。
そっちのほうが喜ぶファンは相当多いと思いますよ(笑)

What's AMC?

2015年発売の別冊宝島「ビックリマンシール大全集」には、「聖核伝命ノ書」と題された
キャラクターの設定画を公開するコーナーが掲載されてました。

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キャラのイラストの各パーツに手書きのメッセージが付けられており、
紙の端には「コロコロ柏原殿」「小五川田殿」「小学三年生松井どの」
など、この資料をFAX等で送った相手と思われる名前が記されています。

ここに記された設定情報が、コロコロコミック等の雑誌に掲載される際、
多少平易な文章に置き換えられたりして掲載されたんでしょうね。
そういう意味ではこの手書き文書はまさに「原典」ともいうべきもので、
いまだ公開されていない資料にも陽の目を見させてほしいものです。

実際、この記事には「今回紹介したのはほんの一部」「再公開の機会はきっとあるはず」
とも書かれていましたが、その後「聖魔ジャバラップ」で創聖童鬼が公開された以外は
今もって展開される様子は無いですね...。

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ところでこのページ。
マル秘マークで隠されている中にジャーニ・ヤマトの設定画が見えますが
そこには「AMC渋谷どの」と書かれているように見えます。
(その下には「コロコロ100% くぼうちどの」と書いて消されてるようですけど)

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AMCって、どこ?


これまでの流れからして、送り先はヘッドの図解を必要とする相手でしょうから
雑誌社もしくはアニメ製作会社などと思われますけど、
26弾の頃は学年誌は全てビックリマンから撤退してますしアニメも終わってますし、
かろうじてシール情報を扱っていたのはコロコロやてれびくん、月刊OUTぐらい
AMCと略されるところは無さそうなんですよね...。

ひとまず「AMC」「渋谷」を頼りにいろいろググってみたところ、
とあるドラマCD?の演出担当に気になる名前を発見。

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1990年なら時代は合うものの、ビックリマンとの関連が見えないなあ。

...って、あれ?

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「高野富士雄」

同じAMCの方のようですけど、どっかで見た名前...。


これか!!

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ゲーミングストーリーブックの著者としてファンには知られる方です。
それっきり他で見かけないので、謎の人物としても認知されているのですが...。

ということは、AMCってアミューズメントクラブ・プロダクツの略ですかね。

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でもゲーミングブックは1989年の7巻「次動ネブラ大戦争!」で終わってるので、
ジャーニ・ヤマトの設定を使う場面は無さそうなんですよね。
うーん、ここまできて迷宮入り??

いや、ちょっと待ってください。

26弾頃でもまだビックリマン情報を扱っている媒体が他にもありました。

「ビックリマンエキサイティングテレホン」です!

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ドラマ仕立ての物語とシールの最新情報を3分間の電話で毎週提供するこのコンテンツ、
1988年6月15日に開始して以降、連綿と1991年3月ごろまで続けられました。
パンゲでバンプピーターとエンパイア一本釣が戦うあたりまで描かれていましたので、
ジャーニ・ヤマトのパーツ設定を反映した内容があっても不思議ではありません。
...ていうか、実際にそういう回があったようです。(⇒参考:http://jidounebura.web.fc2.com/eki/52.htm

また高野氏といえば、ドラマCD「新たなる出発(たびだち)」にて
エグゼクティブプロデューサー兼作曲担当として名を連ねております。
よく見れば「Presented by AMUSEMENT CLUB PRODUCTS」って書いてますね。

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ドラマCDのブックレットより

思えば、ゲームブックの帯にエキサイティングテレホンの案内が書かれていたり、
テレホンで何度も「新たなる出発(たびだち)」の宣伝が流れたりしたのも、
エキサイティングテレホンがAMCで手掛けられていたとしたら納得です。

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ゲーミングストーリーブック1巻の裏

考えてみれば、どちらもシールをベースに独自の脚本を作ってドラマにする点
ほぼ同じような仕事ですね。

ということで、思わぬところから大きな疑問が(たぶん)解消されたのでした。

ところで、AMCの渋谷さんは今でも日本コロムビアでご活躍中のようなのですけど、
高野さんの足取りはというと、2004年に音楽出版社を立ち上げ、
2013年にはレーベルを分社化したりと音楽業界で活躍中...

といった話がヒットしましたが、同一人物かどうか確証がないのでこの辺で。

それにしても、、

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見事にこの時期にだけゲームブック執筆活動
どういう方なのだろうか...?