ガッカリマン伝説

「ハッピー城」さんのブログで業者向けのチラシが取り上げられていましたが、
そのおかげで「ビックリマン伝説」の詳細がわかってきました。
まだ見てない方は先を読む前にまずこちらからご確認ください。


いやはや、私の予想はすっかり外れてしまいましたね…。
連弾企画=複数企画という最初の予想だけはかすってたようですが、
現実は一言で言い表すなら「酷い」としか言いようのない状況でした。

原点回帰と銘打って復刻シールを出す意図は、
聖核伝に続く次回作をアピールするための単なる踏み台だったわけですね。
普通に新シリーズを出してもマニア以外には引きが弱いので、
まず一般層に媚びた商品を出して、そこから次につなげたいのでしょう。
もっと言うと、漢熟覇王で低下したビックリマンブランドの商品力を強化し、
次回作の発注数を向上させたいという苦しい台所事情も透けて見えるようです。

に、しても。

もうちょっとうまいやりざまがあるのではないかと叫ばずにはおれません。

第1弾シールをエサにして人を集めるのはまあいいのですが、
やはりヘッドであるスーパーゼウスは何かしらの特別処理をしてほしかったところ。
おそらく全部同じ素材を使ってコストをセーブする前提なんでしょうね。
全部ミラーコートだとしょぼすぎますし、全部プリズムだとゼウスが埋没しますし、
既存復刻と違った新規性も付加できて、見た目を大きく損ねない折り合いをつけた着地点が
聖核伝でそこそこ評判も良かったエンボスメタルだったと推測されます。

コストと言えば、既存37キャラは過去の復刻で原盤は全てあるわけなので
今回のはいわばバージョン違いで作れるわけで。
新規3種もただの下書きなら、この商品エンボス加工以外とことん開発費を抑えてますね。
それならセレク1をまるごとエンボス化したほうがもっとウケがいい気もしますが、
まあそこは五十歩百歩でしょうか。

裏面にはSNSアプリ用のQRコードを追加するそうですが、
てことはひかり伝の復刻枠のシールみたいになるんですかね?
GREE利用世代が20代~30代前半というのは意外に若いと感じましたが、
(実際より若く偽って登録している人ってあまりいないのかな)
伝説復刻版の頃からこのターゲット設定がほとんど変わってないのは実に不思議なところです。
あのアプリ、シールファンではない若い層はすでに飽きて放置してたりしないんですかね?

チョコがニコニコ動菓と同じということは、
クッキークランチの漢熟覇王と違ってココアクランチになるわけですか。
今更コストの高いアーモンドに戻すわけは無いと思っていましたけど、
クッキークランチではないことからも、やはり子供ターゲットではないのですね…。

でもって一番ガッカリ感が半端無いのは、新規3種のシールが
「次回作キャラのラフスケッチ風シール」になるという話。

普通に次回作のキャラを混ぜるのはダメなんですか?
本番で素材や裏面を変えれば十分成り立つと思うのですが。
冨樫義博だってコミックスではちゃんと清書してますよ??

シークレット性を演出するなら、たとえばエンボスを活かした壁画風のデザインにするとか、
キャラ名だけ「???」で伏せるとか…、
…それならいいのかと言われると、その場合でも文句は言ってたかもしれませんけど…。

それにしたって下書き状態は無いでしょう。
商品として成り立ってないです。
「今がんばって作ってます!」的な演出のつもりなのかもしれませんが、
それやるなら台紙の裏ででもやってください。
実際、神羅万象は台紙で次章の告知をしたことがありましたが、その程度のシロモノです。
下書きに80円払わされるんですか?

それも次回作に登場する「聖神クラスの重要キャラ」とかなら想像も膨らむ余地がありそうですが、
(実際の役どころは不明ですが)既存キャラとのルーツ関連の見えない3すくみ系キャラに対して
一般ユーザーは何を期待すればいいというのでしょうか。

本当、何を考えているのかさっぱりわかりません…。

せめて今回浮かせた予算で、次回作は超元祖並みに盛りたてていただきたいものです。
こんな手法はこれっきりにしていただきたいですね。

世界が丸かったころの話

旧の初期の初期、まだ設定がほとんど固まっていなかった頃は
今ではお馴染みの用語が今とは違った意味で使われていたりしないでしょうか。

そう考えるきっかけとなったのが、聖フェニックス裏面の「次界天魔球の超悪魔」という一文。
ここでいう「球」は字面通りのボール状のアイテムと解釈するのではなく、
「地球」のような球状の世界と考えるとしっくりきます。
当時は「次界」も単なる「第3の世界」や「漠然とした未知の空間」として記述されていたものの、
聖フェニックスやサタンマリアは既に次界で戦っているような印象も受けられたので
「次界」という天使の世界でも悪魔の世界でもない時空に存在する
「天魔球」(悪魔のテリトリー)にて「超悪魔」が誕生…ということなのかと。

初期のシールでは「聖域界」「魔域界」という呼称も登場しますが、
空間的な勢力圏内を「界」、実際の土地(惑星的なもの)を「球」で表現していたのかもしれません。

すると、「悪和合球」は実は両手で抱えられるほどのサイズではなく、
当初は特定の層に匹敵する規模の「エリア名」だったのではないでしょうか。

最初に悪和合球の名称が登場するのは、やはり聖フェニックス裏面の
「悪和合球から次界超魔身が誕生されたとか」というウワサ文。
今でいう「ノアの悪球」の解釈でも意味は通りますが、エリア名としても違和感は少ないです。
また、サタンマリア裏面では「悪和合球に誕生したマリアは~」と書かれています。
「に」という接続詞は、エリア名と考えたほうがしっくりきませんか?

さらに始祖ジュラ裏面では「すべての愛と勇理を吸収肥大化し天聖球をのみ込む」
とありますが、「肥大化」して「のみ込む」という表現からして相当大きな球のはず。
となると、ここでいう「天聖球」は後の「天聖界」と同一なのではないかと。
天聖界をまるごと飲み込むほどに巨大化するというジュラの脅威を示した一文なのでしょう。

ただ、このころコロコロコミックでの特集が開始され、世界観が固まり出したのと同時に
"一つの世界が二つに分かれた"という設定が付加されたことで名実ともに「球」ではなくなり
「天聖界」「天魔界」の呼び名が定着して今に至ったものと考えられます。

ちなみに、「天聖界」の名は5弾・騎神アリババ裏面で既に登場していますが、
この時点では「ズレズレ魔界」(ハズレ魔僧)や「高低次元界」(タイムマシーン帝)などと同じく
その場限りの名称だった可能性が高いです。

居住地=球の考え方は、しばらくのち「天地球」で復活することになりますね。

新復刻するならこういう具合にしやしゃんせ

情報が一向に出てこないので、引き続き素人の妄想を垂れ流します…。

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まったく同じ復刻ではなく、一味加えて既所持層にも収集意欲を芽生えさせる。

「ビックリマン伝説」でのエンボスメタル復刻の企画意図はおそらくこんなところでしょう。
これは結構いい選択だと思います。
素材を統一することで生産コストを抑えることができるのは確かでしょうが、
漢熟覇王みたいに単純に全部ミラーコートや全部プリズムフィルムというのはぶっちゃけ愚策。
でもエンボスメタル加工+旧シールの背景の再現により、素材は同一でも見栄えに差を生んで
種族ごとの違いを明確にすることができる上、プリズムほど無駄にギラギラしないからです。

でも、それだけなんですよね。
裏面はまだ情報が無いので判断付きませんが、旧テキスト以外の工夫がプラスされていると
オールドファンにも嬉しい仕様なのですが、どうですかね?
たとえば「★悪魔シールでいたずらされたら、天使やお守りシールでハリ返そう!」
とかのメッセージを思い切って削除し、そこにウワサ的な新規テキストを追加するとか…。
タンゴ博士が頭を使ってテキストをひねり出すだけなので、費用対効果としては抜群でしょう。
博士はすでに社員じゃないからこれまでよりは何かと面倒かもしれませんが、
グリーンハウスに絵柄を描き下ろししてもらうよりは安価なのではないかと(笑)

ところで、「旧キャラを生かして旧ストーリーを再編する」という仮説にのっとった上で、
コストや工数を度外視して考える個人的に理想的な「新復刻」としては…

・タイトルは「新約ビックリマン神話~次界編序章~」とか。
・キャラは第1弾から第5弾までからピックアップ。通し番号は振り直し。
・絵柄は全て新規描き下ろしで、ヘッドの彩色やディテールなども見直しを行う。
(サタンマリアの6聖球を本来の6色にするなど、シルク印刷の縛りに捉われない)
・裏面は今の時代に即した形で微妙にアレンジし、3すくみにもストーリー性を持たせる。
 シール裏だけである程度のストーリーがわかるよう工夫する。
・ヘッドは一定の確率で箔押しや背景色違い、裏面テキスト違いなどを導入する。
(スーパーゼウスの通常版・箔押し版・背景違い版がそれぞれ2:1:1で混入するなど)
 2000の三面鬼神みたいなのが許されるなら、箔押しはともかくその他は可能なはず。
・携帯アプリ連動で、QRコード読み込みでそのキャラを使えるようにする。
・3すくみはすくみ単位でセレクトし、すくみをそろえる楽しみも生かす。
 No.1:桃太郎天子/きびだんご三助/鬼ガシ魔
 No.2:お救い観音/お助けさん/お邪魔王
 No.3:十字架天使/ニンニク満助/魔人ドジキュラー
 No.4:キャットラ王子/ねこいら牛助/魔ウス
 No.5:龍宮女天/助ケタカメ/うらし魔人
 No.6:やって弥勒/1・2の三助/やめ妖怪
 No.7:ヤマト王子/助剣/八魔オロチ
 No.8:牛若天子/七童士/魔僧弁慶
 No.9:騎神アリババ/かめ助/魔党賊
 No.10:天子男ジャック/豆ツル助/大魔
という感じ。
次の弾では6弾以降のキャラに加えてヴィーナス白雪や魯神フッドのすくみを出すなど、
旧弾の順序も崩してラインナップを整えるのもありかなと。

…でも実際に候補を書き連ねてみると、6老天使はサタンマリアの絡みで不可欠だし
ヘラクライスト用に7弾天使は全員登場することになるし、
さらに神帝隊を出すならアーチ天使も必要だし、「天使は出したいけど他のキャラは微妙」な組が増えますね。
ヘッドの裏イラストに登場するすくみキャラもなるべく絡めたいですし、
「すくみ縛り」をやるのは思いのほか面倒かも。

そうなると、いっそ若神子に聖球を持たせてストーリーを簡略化するなどのテコ入れも?
いやいや、さすがにそれは無いと思いますが、若神子の脇に老天使のミニキャラを立たせたり
一本釣帝の足元に7弾の残り11天使が並んでるなど、ゲッテンカ的な工夫も必要かも。

勝手に妄想を書きならべて勝手にツッコミ入れて、何が何だかという感じもしますが
そうなると先細りするのを覚悟の上で、弾ごと全復刻するのが妥当なところなんでしょうか?