「ガチ」の起源を追う!

「レトロニム」とは、以下のように定義される言葉です。

レトロニム(英語: retronym)あるいは再命名とは、ある言葉の意味が時代とともに拡張された、あるいは変化した場合に、古い意味の範囲を特定的に表すために後から考案された言葉のことを指す[1]。
(wikipediaより)

具体的な例でいうと、「電話」と言えば従来は固定されたものしかなかったけど、
「携帯電話」が普及したことで「固定電話」という呼称が誕生した、というようなもの。
例えば「旧ビックリマン」という呼び方もレトロニムの一種と言えます。

さて近年新たにちらほら聞くようになった言葉の一つに「ガチホロ」というのがありますね。
これも「疑似(擬似)ホログラム」に対して新たに生まれた呼び方です。
単に「ホログラム」というだけだと疑似なのかそうでないのかわかりづらいのと、
疑似じゃないことをあえて強調するために「ガチ」を付けて使われる場合があるようですが、
疑似ではないホログラム全般をガチホロと呼ぶ風潮が出来上がりつつある印象です。

ところで、ガチホロという言葉を最初に使いだしたのは誰なのかを調べようと
ツイッター検索をさかのぼっていたら、2013年ごろには既に使われている形跡を発見。

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...よくよく確認したら、サバゲー業界で使われる光学照準器をホロサイトというそうで、
そっち方面で使われていたスラングだった模様。

ではシール業界的にはどうかとさらに調査すると...。

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こちらのツイートがHit。
2018年の阪神コラボグッズ販売にて、バースゼウスの缶バッジに対する発言のようです。
このバッジがホロ素材だったことから、ガチのホロか疑似ホロかを問う内容でした。

その後、2019年頃から自作シール関連で「ガチホロ」という言葉が散見されるように。

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まあ、ツイッター以外で「ガチホロ」が既に同じ意味で使われていた可能性もありますが、
さすがにそれを調べるのは至難の業なので断念...。

ただ自作シール業界において個人作成のガチホロが大きく話題になった転機は、
2020年5月のさん家電脳祭りではないでしょうか。

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示し合わせたかのように、複数のシール作家の方々がホログラムを作成されたんでしたね。
この時期を境にガチホロという言葉が市民権を得たように思えます。

その後、製造コストの急騰を受けてガチホロブームはいったん落ち着きを見せたようですが、
言葉としてはすっかり定着したようで、ガチホロを求める声はまだまだ続きそうですね。

Official緑家dism

昨年11月に販売された「東京リベンジャーズマンチョコ」について、
パッケージやシールの裏に書かれている一文がコレクターをざわつかせました。

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「ビックリマン公式イラストレーターの作画ではございません」

これっていうのはまあ、グリーンハウスの作画ではないと言いたいんでしょう。
実際いい感じにディフォルメしていて、グリーンハウス作画かも?と思った人が
ロッテに問い合わせることを想定したリスクヘッジなんでしょうけど
だったら最初から作画した個人・団体の名前を出せばいいんじゃないですかね?
むしろ商品の印象を悪くしているのではと思いましたが、他に書き方無かったんでしょうか。

「グリーンハウスの作画ではございません」と書けないのは理解できます。
関係ないなら名前を出すべきじゃないでしょうから。
この手のコラボチョコは多数出てますし刀剣乱舞マンでは絵師の名前も出していたのに、
この商品に限ってわざわざこんな注釈を入れた理由もよくわからないところです。

ところで、そもそも「ビックリマン公式イラストレーター」とは何ぞや?

ビックリマンチョコのシールのデザインを手がけたならば、
少なくともその人はもう公式イラストレーターなのではないのでしょうか?
それとも非公式のイラストレーターを採用しているの?
じゃあこれって海賊版か何かなの??
公式の定義って何???

...という話にもなってきやしませんかね?

デジタル大辞泉によると

こう‐しき【公式】
読み方:こうしき

1 おおやけに定められた形式。また、公的な手続きを踏んで物事を行うこと。企業や団体などが、正式に認めること。「―の行事」「―の見解」「―に訪問する」「非―試合」

2 数や式の間に成り立つ関係を、数学上の記号を用いて表示した式。「―に当てはめて計算する」

とのこと。

ビックリマンシールは「ビックリマンプロジェクト」が作成しているものですから、
ビックリマンプロジェクトが採用したシール素材はビックリマン公式シール素材でしょうし、
ビックリマンプロジェクトが採用したコピーライターはビックリマン公式コピーライター。
なのに作画に関しては公式じゃないイラストレーターが存在するというのは、
率直に言って首をかしげる話に思えてしまいます。

正社員と協力会社社員みたいな相関関係があって、
メインイラストレーターとそれ以外のイラストレーターという区分ならわかるんですけどね。
「公式」の対義語は「非公式」なので話がおかしくなるんだと思います。

ときに、グリーンハウス作画...と言っても、米澤・兵藤両氏かそれ以外か、は
今のところ区分されてませんね。
将来的に両氏が描けなくなった時に備えて後継社員が実地訓練さながらに
何割かの作画を手掛けていてもさほど不思議はないのですが、
(特にコラボ系だと「元」が存在する分やりやすいのではと思ったり)
今のうちに「公式イラストレーター」というポジションを確立しておいて
そこにグリーンハウスという「法人ブランド」が収まるとwin-winだったりして...??

BM界の「おぱん●ゅうさぎ」

今回は第4弾の天使「キングラビット」について語ってみます。
正直、このタイトルを言いたかっただけの記事なのですが、
せっかくなので無から有をひねり出してみようかと。
いつも以上に中身のない記事ですがご容赦ください。

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御存知、「カチカチ山」をモチーフにした3すくみで
悪魔は「たぬ鬼」というシンプル極まりないネーミング。
お守りは「舟助」という名前の割にはハニワ感の強い泥舟。
余談ながら第8弾の「助舟(たすけぶね)」とよく似た名前ですが
特に関係は無い単なる偶然の一致かと思われます。

話が脱線しましたが、キングラビットは何故かパンイチのウサギで
裸の王様モチーフも若干入ってるのかなと思ったり思わなかったり。
アイテムをいろいろ持っていると言っても素体は単なるウサギであり、
捻りのない名前ともどもBMらしさの薄いキャラと言えるでしょうか。

裏面では「ハムラビット法典説法」を使うと書かれていることから
某水の大層ヘッドとの関連がウワサされたりされなかったり。

「ハンディ吸火砲で魔炎消火」と言いつつ右手にはライター
反対の手には「ねりからし」と書かれたチューブで、
どっちにしろ「ハンディ吸火砲」とは言い難い形状をしております。
魔炎を消す力があるならサタンマリアといい戦いが出来そうですが、
そんな設定が活かされることは全く無く、ストーリーに絡むことも無し。

むしろ火をつける側だからか、「天使が悪魔になっちゃった」では
「炎魔ラビット」となってライターが強火に加工されてました。
モチーフ的にはこっちのほうが正解だったかもしれません。

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そういえば今年はウサギ年ですし、ちょうどよかったですね!
以上、キングラビットについて語ってみた、でした!疲れた!

アイス・スナック版シール考察

公正取引委員会の勧告を受けてのシール材質の変更は、
チョコは17弾からでしたがアイス/スナックは5弾からでした。
しかし当時、大多数の方は「アイス版の仕様が変わったのは6弾から」と認識していたはず。
コロコロ本誌でアイス版サタンマリアが紹介されても、実際には入手できなかったため
本当にそんなのがあるのかと思っていた少年少女が多かったと思われます。

そもそもビックリマンアイスは全国同時展開されたわけではありません。

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<コロコロ1987年1月号より>

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<コロコロ増刊ビックリマン超特集2より>

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<コロコロ1987年4月号より>

コロコロ1987年1月号で発売の第一報が報じられた際には東京・大阪・名古屋地区のみで、
3ヶ月後の4月号でアイスが第2弾に切り替わったニュースが掲載された際にも
北陸が追加されたぐらいで、近畿より西や東北以北はまだ発売されていませんでした。
(東北・北陸はスナックが発売されていた影響もあったようですが)

そのため、いわゆる後発地域では弾の進みが遅かったわけで、
例えば東京でアイス4弾が出た時期でも九州ではまだ3弾ということが普通だったわけです。
余談ですが、この格差を解消しようとある地域で5弾をすっ飛ばして6弾に変更したら
若神子ファンから抗議の手紙が来た、なんてことを反後博士がどこかで語ってましたね。

チョコ17弾が販売された頃、先行地域のアイスはもう6弾発売のタイミングだったため、
アイス5弾はチョコ版と同じ材質のままで、6弾からアイス版独自のシールになりましたが、
後発地域ではそれが5弾から導入されたわけというわけです。

事実、北海道や九州ではアイス版の5弾シールが当たり前のように出回っていて、
20年以上前にそっちの方とトレードした際にはレート感覚の違いに驚いたものでした。

ところで、アイス12弾は他の弾と比べて流通数が少なくレアとされていますが、
これは何故なんでしょうね?

アイス版は12弾からヘッドにプリズム素材が復活していますので、
同じくプリズムシール復活となったチョコ版22弾と同じ時期の発売でした。
具体的には1989年11月~12月頃の話です。

寒い時期にはアイスの売り上げは落ちると思われますので、
そもそも生産数が多くない、ということが考えられます。
ですがその理屈だと12弾以外でも冬に出たアイスのシールは希少になるはず...。

そこで一つの仮説を立ててみます。

チョコ22弾でのプリズムシール復活は、17弾以降で低迷していた売上回復の切り札として
OVAキャンペーンを打ったりテレビCMを作ったりするほどにアピールされました。
おそらくその効果を見込んで22弾の生産量も多かったのではと想像されますが、
そのあおりを受けてアイス版12弾シールの生産は控えめになったのではないでしょうか。
足りなくなるのであれば11弾までと同じ素材を使ってもよさそうですが、
取り扱う素材の数が増えると管理等の面でコストがかさんだりしそうですし。
(だとするとアイス版12弾以降のお守りがKinPMと同じ素材なのは説明付かないけど)

また、12弾まではヘッドの枚数が12枚(3キャラ×4ポーズ)でしたが
13弾以降でチョコ版と同じ種類しか作成されなくなったのは、
プリズムシールの印刷枚数を抑える目的があったのかもしれません。
だとしたら、造魔棒がドラゴットに変形するシーン洗脳前のダークヘラ
ムガルの怪奇⇒聖梵変化などのアイス版独自形態が描かれる機会が失われたわけで、
それはそれで残念な流れと言えますね。

ちなみに12弾と並んでレア度の高い15弾については、
単純に打ち切りの弾で生産数が少なかっただけだと思われます。

元祖・天使が悪魔になっちゃった

13弾に登場した再生魔鬼は、10弾の悪根魔の3体が天使の因子をコピーして
変身再登場した姿です。

成りキングの理力を得た再魔リッチャー
ゴッドマングースの理力を得た再魔ファイター
あっ晴れ天子の理力を得た再魔ブレーカー

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元の天使がなんとも間の抜けた顔だったのに対し、
悪魔としてリブートした彼らの姿は雄々しさすら感じさせます。
単にグリーンハウスの画力が上がったのもあるんでしょうけど。

ところでこの3体のうち、リッチャーはrich(金持ち)から。
ファイターはそのままfighter(戦士)と思われますけど、
ブレーカーって何じゃらほい?

ブレーカー(breaker)というと、普通は電気を使い過ぎた際に
安全のため通電を遮断するアレを思い浮かべますけど
あっ晴れ天子にも再魔ブレーカーの3すくみにもそんな要素は見られません。

すくみマークはホイッスル。
お守り「シンドンネン」は白線を引く係で
天使「救聖ルーラルー」は相撲の行司のような姿なので、
この3すくみは「境界の判定」がテーマと考えられます。

そうなると再魔ブレーカーは「境界を破る」というのがモチーフと思われますが、
もしかしたら「無礼講」と引っかけているとは考えられないでしょうか?
ちなみにシンドンネンの「シン」は「審」かもしれませんね。
ルーラルーは「rule+er」でしょう、たぶん。

ところであっ晴れ天子の魔再現が何故こんなテーマになったのか...。

元々はお天気の3すくみで、カラッと晴天というイメージのキャラでしたが
光が射す力を闇が侵食する力に転換し、
そこから境界を破るイメージに置き換わったというところでしょうか。

それよりは「あっ晴れじゃ~無礼講じゃ~」と叫ぶほうがイメージ近いかも(笑)