25弾の3すくみは、誰も聞いたことのないようなマイナーな童話・昔話がモチーフです。
しかしながら、あまりにマイナーすぎるため「元ネタがさっぱりわからない…」と
長年モヤモヤしている人も多いのではないかと思います。
参考:https://kyutabm.sakura.ne.jp/q-stage/200204m.html#1
それだけに、私としては何としても全ての元ネタを突き止めたいという思いが強く、
もう何年もの間、時間を見つけては首都圏の大規模な図書館を訪れ、
世界の民話・童話の書籍を片っ端から手に取って元ネタ探しを続けておりました。
(以前にもそんな話を書いてましたが)
それだけに、その後これらの元ネタを見つけられた時はとても高揚したものです。
その成果を先日更新した「キャラクターネーミング調査」のコーナーにて
一通り紹介しているのですが、元ネタのタイトルを聞いてもピンとこないでしょうし、
普通に検索してもタイトルすら見つけられないものが大半かと。
なので、今回はそれらのあらすじを一部紹介してみようと思います。
例えばNo.291「魔近道」「パン金蔵」「三考無言士」のすくみの場合、
ポルトガルの民話「三つの忠告」が元ネタとなります。
(出展:「世界の民話(2) 南欧」P.351~353)
ある男が出稼ぎ先から戻る際、主人から給金の代わりに三つの忠告と土産のパンを得る。
その忠告の一つが「近道はするな」⇒魔近道
男は三つの忠告に黙って従うことで不運を回避する⇒三考無言士
そして帰宅した男は土産のパンの中に入っていた給金を見つける⇒パン金蔵
また、No.298「着飾魔師」「ハッピーイエレ」「へんび服王」のすくみの場合
アフリカの民話「ヘビにかりた服」が元ネタ。
(出展:「世界むかし話 アフリカ」P.244~272)
アフリカのとある村に住む主人公の女性の名前が「イェレ」⇒ハッピーイエレ
イェレは男と結婚していたが、そこにもう一人の女が現れて第二夫人となり、
派手な生活をする一方でイェレに意地悪をして立場を悪くさせていく⇒着飾魔師
パーティに着ていく服が無くて森を彷徨っていたイェレは物言う大蛇と出会い、
蛇の脱皮した皮を借りてパーティに出席し、第二夫人の鼻を明かす⇒へんび服王
そしてNo.290「ジャッジ魔」「正直金」「ディフェン婦」のすくみの場合、
トルコの民話「掃除夫とカディ」が元ネタでした。
(出展:「新編 世界むかし話集 7 インド・中近東編」P.263~271)
ある掃除夫がカディ(裁判官)を信用して大金を預ける⇒正直金
後日掃除夫が金を返してもらいに訪れると、カディは金を返さず追い返す⇒ジャッジ魔
絶望した掃除夫が裕福な商人の妻に事情を話すと、彼女は一計を案じ、
宝石をカディに預けるふりをして、カディが掃除夫に返金するよう仕向ける⇒ディフェン婦
これらの出展となる本はいずれも1970~80年頃の古い書籍ですが、
その気になれば国会図書館の遠隔複写サービス等で有料で読むこともできるかと。
それにしても、何故にこんなところから元ネタを選んだのかは理解に苦しみます。
「ビックリマンの原点はむかし話だ!」みたいな原点回帰しようとして迷走したのか、
あるいはアクア層は時空を超える世界ということを異世界の民話で表現しようとしたとか??
次代キャラはデザインも一風違いますし、実験的な要素があったのかもしれません…が、
3すくみのつながりが全く想像できないようでは集める楽しみは半減ですよね。
その反動か、次の26弾の3すくみは非常にわかりやすいテーマになっていますけど、
マルコ編が半ば打ち切りのような展開になった一因だったりしないですかね?
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