ひかり伝の物語は、ルーツ伝でグリーンハウスデザインに「到達」したことで
旧作世界との結合(コンバイン)を部分的に果たしたと考えられます。
逆に言えばマルギョワン氏やクロノトカゲ氏(当時はくろのさうるす名義)らが
デザインした世界は、旧作世界とは名実ともに一線を画す存在だったわけですが、
そこから旧作世界にシームレスにつながるわけでもなく新たな謎が次々投入され、
それゆえ聖核伝以降は何のためにあったのかというのが多くの人にとって疑問なわけです。
世界の形も必要な因子も作り終わった。
しかしそれらのつながりが無い。中身がない。
まさに「蛻(もぬけ)の殻」。
だから「意識」を生み出す仕組みが作られた。
1~31弾の歴史を生み出す元となる1440暦画(シール情報)が相互に干渉しあって
あたかも脳細胞(ニューロン)が電気信号で情報をやり取りして成長するように
「聖魔の歴史」という名の「記憶」が次々と創造されていく。
それこそが「源層界」という聖体が持つ「意識」の正体かもしれない。
というのが「聖核伝」が描かれた背景ではないかと、先日長々と論じた内容の概要です。
その流れを受けて、「脳=クラウドール」の中で化学物質を介在してどんな現象が起きて
最終的に源層界の意識の象徴たる超聖士が生み出されるまでを描くのが
「生化学」をテーマにした「聖魔化生伝」の目的と実体なのでしょう。
ということで今回はその続き、聖魔化生伝の考察+αをくどくどと語ってみようと思います。
舞台は「暦未層域」と呼ばれる新エリア。
そこにクラウドールからの輝光が降り注ぐ「聖林冠(せいりんかん)」と
それに対抗するように存在する「魔地中比(まちちゅぴ)」が発生し、
上層の聖林冠と下層の魔地中比が影響しあっている世界のようですが、
インターネットアーカイブにイメージ画像が保存されていなかったので全容はわかりません。
ただ、そういう世界があるというぐらいでそれ以上の意味合いは読み取れませんでした。
聖林冠はヨセミテ国立公園、魔地中比はマチュピチュがモチーフではと思われますが
何でそんな名前そんなモチーフなのかはまだ読み解けておりません。
(「意識」と関係する世界観なら「深層意識」「顕在意識」なんかがモチーフになってそうな気もしますが)
世界よりも重要なのはシール本体のほうですかね。
前回は「六穴道」は六識(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識)ではと言いましたが
聖魔化生伝のシールは「ファイブセンスシール」と呼ばれていました。
シールから特別な匂いや音がするわけでもないのにファイブセンスとは妙な印象ですが、
これはシールキャラが(クラウドールの)五感を刺激する存在だということでしょう。
脳は脳だけでは成長しません。五感がもたらす刺激があってこそ。
そのため24種類のシールが干渉しあい、様々な刺激を与えることになります。
その中には「悩殺鬼ミクログリア」が食い荒らした記憶を「ひかり神ジェネ」が修復したり
「煩魔キンデルジュ」が放つ煩悩を「朱雀ポロニア」が聖火炎で焼き尽くしたり、
「瞬刹鬼キリ」の瞬間技を「聖時印ピンZ」がタイムスタンプを頼りに見切ったり、
脳内の意識に関係のある要素が入り乱れる状況が発生している様子。
そんな中、魔地中比の巨木の根元にあるブラックホールから無数の悪魔が出現し、
聖魔バランスが崩れて、このままではスーパーゼウスの時代につながらなくなる危機が発生。
それに対抗すべくシール自体が「伝力」して「増殖」した結果(シールも24枚⇒36枚⇒48枚に増殖)
「化生胎」として聖子ヒッグスピンが超聖士ヒッグズーへと変貌したと。
このあたりの流れがフワッとしていて、なかなか具体的なものが見えてこないんですよね。
そもそも聖子ヒッグスピン自体が急に降って湧いたキャラな上に
意志も何も見えず流されるまま増力したり黒根源に引っ張られたりしているため、
感情移入もできないし、何なら次の「武層動伝」で真っ二つですからね。
博士は公式HPにて「パッケージデザインからシリーズの意図がわからないとの指摘や、
ヒーローを待望するリクエストもあるやに聞いております」と言っていましたが、
結局出したら出しっぱなしという状況は実に悩ましいところ(笑)
ではここから、博士がこれらの流れで何を表現したかったのかを想像してみます。
聖子ヒッグスピンは「神の粒子」といわれたヒッグス粒子がモチーフで、
聖魔化生伝のテーマの一つが素粒子物理学の「標準理論」であることは
公式サイトのコーナー名が「聖魔化生伝・標準理論」だったことからも明らかです。
ヒッグス粒子とはどういうものかと言いますと…
宇宙には目に見えないヒッグス場というものが広がっており、
素粒子がヒッグス場とどれだけ強く関わっているかで「重さ」が決まると言われ、
その仕組みを示す証拠がヒッグス粒子と呼ばれるものの存在。
素粒子には物質を作る粒子(電子など)、力を伝える粒子(光子など)、
ヒッグス粒子の3通りあると言われている。
ちなみにスピンとは粒子のふるまいを表す性質の一つ。
つまり聖子ヒッグスピンは、この世界のルール自体を決定づけるキャラと言えます。
そもそも「化生(けしょう)」とは、仏教における生命の発生方式の一つで
胎生・卵生・湿生のいずれでもなく何もないところから突然発生する方式のことだそうで、
ヒッグスピンが突如出現したキャラであることと重なります。
また別の意味では「仏・菩薩が人間の姿を借りて現れること」だそうで、
これまた「クラウドール(源層界)の意志」が「人間の姿」になったとも解釈可能なんですよね。
であれば、中身がまだ空っぽであり他のキャラの影響を受けまくることの説明が付くかも。
そしてヒッグスピンを化生胎に増力させるキャラとして複数の天使・お守り・悪魔・ヘッドが
それぞれの思惑をもって存在しており、中でも⑪武玄ルドンと⑫梵ポルタメントスは
ヒッグスピンを黒根源に誘因しようとしていると書かれています。
彼らの目的は何なのでしょう?
ここで全く思考ベクトルの異なる説をぶっこんでみます。
「聖子ヒッグスピン」の「聖子」とは、そのものずばり「精子」ではないでしょうか?
受精においては卵子は精子を誘因する化学誘因物質を放出しているそうで、
聖子ヒッグスピンがあるべき「卵」と結合して「聖なる超聖神」が誕生する流れが存在するものの
梵ポルタメントスが黒根源に誘因して妨害しようとしているのでは。
ヒッグスピンが黒根源に到達すると、聖なる超聖神ではない別の何かが誕生するのでしょうか?
なお宇宙には「標準理論」では説明できない、全体の約1/4のエネルギー密度を占めていながら
観測できない謎の物質が存在するのですが、それは暗黒物質=ダークマターと呼ばれています。
ヒッグスピンが黒根源に誘因されて魔の超聖神?が誕生する流れの先には
ダークマターの誕生がつながってくるのでしょうか。
そういや武層動伝の「龍頭ダビル」裏には、見覚えのある目を持つ「卵」が描かれてますね…。

今さらながらアダムダム固守卵の目はダークマターの目と似ています。
なお「武層動伝」では、ヒッグズーは相生相克姿が発露した末に分裂してしまいますが、
(自発的対称性の破れ?)
聖なる相生姿は「一切万有重き付与」とあり、あるべきヒッグス粒子の存在と重なり
魔なる相克姿のほうは黒根源で例の卵と融合し、暗黒物質誕生ルートを辿るのかもしれません。
ちなみに武層動伝は、魔応・聖合・守象の3つの認識が衝突する世界が舞台で
聖魔化生伝にて外部刺激から悩みや夢といった動物的な脳活動を獲得したのに対し、
真理とは何かを考える人間的な高次の脳活動にシフトしたステージと考えられます。
こうして最終的に神格を得た「聖核殿の主」が旧ビックリマン世界の「超聖神」となり
1~31弾の物語を思い描いて現実化していくのが本当の意味でのひかり伝完結だったのでは?
ひかり伝は旧ビックリマン世界につながる創世の物語…ではありましたが、
石器時代から近代というような一般的な歴史の流れのイメージとは全く異なり、
ひかり伝はパーツ作成、聖核伝~武層動伝は設計図作成、旧1~31弾は完成品
という位置づけだったのでは、と思えなくもないです。
その場合、設計図から完成品を作る作業者として超聖神が必要だったとか…。
まあ「武層動伝」の部分はちゃんと読み込んでないので今回はさらっと流しますけど
あれはあれで今回は触れてない「層の分裂」「3種族の相対」「大創層紀序説」など
ここまでとはまた別の要素が盛りだくさんなので、いずれしっかり向き合いたいところです。
今回の考察をひっくり返すような新たな展開が見えてきたりするかも??
それはともかく「大創層紀」が超聖神がビックリマンの歴史を動かし始める物語だったなら、
本当にあと一歩でそこに届いたのではないか…とつくづく残念でなりません。
博士自身も武層動伝の「次」を構想していることを示唆していたというのに…。
毎回言ってますが、今からでも「ビックリマン大創層伝」出してくれませんかねえ。












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