15年越しの聖核伝考察

唐突ですが、2010年発売の「ビックリマン聖核伝」について少々語ってみようかと。
あの当時は怒涛の情報と難解な解説に手も足も出ませんでしたが、
改めて見直すことで見えてくるものもあるかなあと思いまして…。

さて、聖核伝の舞台は「天中枢神クラウドール」
天中枢神といってもそういうキャラがいるわけではなく、
「中枢神経」から持ってきたエリア名の一部です…が、そうとも言い切れないカモ。

そのモデルは世界遺産でもあるインドネシアの「ボロブドゥール遺跡」
ボロブドゥール遺跡は全9層で階段ピラミッドのような構造をしています。

 

9層の内訳は基壇1層、方形壇5層、円壇3層。
この基壇・方形壇・円壇は、仏教の「三界」を表しており、
基壇:欲界(人間のいる世界)
方形壇:色界(神と人間が触れ合う世界)
円壇:無色界(神のいる世界)
とされているそうです。

となると最上階の円壇がクラウドールの頂上界、
すなわち「聖核殿」のモチーフですかね?

そして方形壇の回廊には仏教説話にもとづいた1460面におよぶ
人物の描かれた浮彫彫刻レリーフが時計回りに配置されているとか。
つまりは、1440の暦画が存在するというクラウドールの無限回廊に相当するエリア。
となると基壇が霊魔タルタイタンのいる闇土塁底なんですかね。

ボロブドゥールはそれ自体が仏教的宇宙観を象徴する巨大な曼荼羅と言われているそうで、
ゆえに聖核伝はBM世界の創世、つまりは源層界創造に直結しているのではと考えられます。

ところで、「聖核伝は源層界の物理的骨格から意志を具有するに至るステージである」
と反後博士がかつて公式HPで語っておりました。
ひかり伝1・2・3・おとぎ・聖魔暦・聖魔十戒・ルーツ伝と時代が進むにつれて
源層界の基となる部分が徐々に形作られてきているのは皆さんも感じられていたでしょう。
ちょこちょこ名前だけ出てくるので、もう出来てたと思ってたら実はこれから、みたいな
進んでいるのか戻っているのかわかりにくい状況でしたが…。

ここで長くなりますが、公式HPで語られていた内容の一部を紹介しましょう。


(クリックで拡大、以下同様)

具体的には、「ひかり伝」で真白域・真黒域から「まとば」が誕生したのち、
まとばの大ソライ塔が分解して「五層変化境」が発生。
その一つ結空層」に根を下ろした「曼樹羅」が「ひかり伝おとぎ」の舞台となり、
その奥に発生した怪物の泉・セノーテラス」で3聖王が源層界の基盤を創層。
そこに存在する「Wレンソイス」「Bイルリサット」「バサラストR」という3域が融合して
心臓型の「ハートタンクΣ」が誕生し、さらに「源層グレートサラオ」へと進化。
そしてグレートサラオとの関係性は明確にされてませんが、
聖核伝の舞台である「クラウドール」につながります。

つまり、ルーツ伝までで形成されたのが源層界の「物理的骨格」であり、
聖核伝はそこに「意志」を込める物語ということです。

実際、博士によればクラウドールは「意志を持った聖体」であり、
オンオフしたり息衝いたりしているとか。
他にも1440キャラが脳内細胞のように接近・連結することで新たな存在を生み出すなど
聖核伝の神髄は「肉体(脳)に意識を宿すこと」にあったように思われます。

ではその意識とは…源層界とは…。

暦画に刻まれた1440キャラの神ゲノムの相互作用が源層界の「意識」の元になっている?
ヒトの「意識」というものが脳の神経系統の電気的連携から発生するのであれば、
源層界の「脳」たるクラウドールでも同じようなことが…??
そういやクラウドール無限回廊に存在し、物理世界(表層界)と聖神世界(源層界)をつなぐ
六穴道とは、いわゆる「六識」のことでは?

更に夢や記憶という生化学的な脳内現象の数々が次の「聖魔化生伝」のモチーフのようですが、
その辺はまた追々考えたいと思います。

他にもカムイ守マキョーの存在が3すくみ(⇒無限に終わらないデッドロック)の起源だとか
クラウドールの番人たる天聖オリンボスが見つめる暦画書き換えがもたらす聖魔の未来とか
聖核殿が「蛻(もぬけ)の殻」であった意味とか
博士が最後に残した「始覚球」と「チョウケイウカイ」の謎解きとか
解き明かされるべき事象はいくつも残っているんですけどね…。

さてここまで話した上で、以下のシールをご覧ください。
明星クィーンとタイムマシーン帝に描かれている6つのモチーフに注目です。

時計・心臓・太陽・銀河・星座・脳

…と思われるものが共通で描かれているのですが、これは何を意味しているのでしょう。

おそらくですが聖核伝の位置づけ的にも「源層界の組成」ではないかと。
それは聖核伝を含めたこれまでの作品の中で、源層界に関係のある
いくつかの世界が段階的に作られてきたことと関連付けられると思うのです。

具体的には
時計 ⇒ 暦、すなわち「聖魔暦」
心臓 ⇒ ハートタンクΣ、すなわち「ルーツ伝」
太陽 ⇒ はじまりの光、すなわち「ひかり伝」
銀河 ⇒ まとば、すなわち「ひかり伝II」
星座 ⇒ 3つの世界の関係、すなわち「聖魔十戒」
脳 ⇒ クラウドール、すなわち「聖核伝」

ひかり伝IIIとひかり伝おとぎが入らないので、
弾の区切りとはズレているのかもしれないですが。

…ていうか、やはり少々強引な解釈ですね。
いいところまで行ってそうな気はするのですが。
星座は宙聖座(ひかり伝II)かもしれませんし、
銀河はグレートサラオ(ルーツ伝)に当てはめられなくもないような。

そんなわけで少々中途半端な考察になってしまいましたが、
まとめると
「源層界の物理的構成はルーツ伝までで完成している」
「源層界に意志を込める脳にあたるエリアがクラウドール」
「1440暦画は脳神経細胞のようなもので、それぞれオンオフして因子が明示化したり
 互いに関係しあって新たな存在が生まれたり、魔語手パンドラマに書き換えられたりしている」
⇒ビックリマンキャラは脳細胞であり、それらの活動が源層界という聖体(生体)の意識を作り出している??

という途方もない設定だったのではないかと思うのですが、いかがですかねえ?

自分でも考察したい方は、インターネットアーカイブから(一部の画像を除いて)だいたい読めるので
ぜひチャレンジしてみてくださいませ。
https://web.archive.org/web/20150407042403/http://bikkuri-man.mediagalaxy.ne.jp/seikaku/index.html

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