★宇宙層を飛び回る神と命の物語、ついに決着!第四十五回

#45「過去(プロフェード)、現在(ジョーカード)、未来(デミアン)! のウワサ」 2002/8/30

 

概略 登場人物 現在位置 用語

 

概略
デミアンは夢を見ていた。
夢の中でデミアンは再びジャッジに会い、再び神裁刀を手渡された。

デミアンはジャッジに「なぜ」と問われ、なぜ剣を取るのか、なぜ戦うのかを考える。

目覚めたデミアンはポーチの家にいた。
戦いから逃げ出し、疲れ果ててここで眠ってしまっていたのだ。

ポーチはデミアンに、生きることの責任について説く。
生きている者は死んだ者に対して責任があるということ、そしてタケルも戦いに悩み苦しんでいたこと。
デミアンはふてくされ、静かに考え、そして飛び立った。
だがデミアンがカヴォードの遺した防具を身にまとうと、突然光に包まれ甲神域に転送されてしまう。
グリニッジ神官はこれがカヴォードのせめてもの罪滅ぼしだと言い、
デミアンとダーツをフシールが捕らわれている深層へと導く。

一方、聖魔塔では膨張し続けるモルグ・エデラを取り囲むように
虹天銀河全土から多くの天使属・悪魔属が集結していた。
神の力が膨れ上がり、宇宙を吹き飛ばすほどの爆発力を持ってしまったモルグ・エデラに対し
コーラル超聖水の力で結界を張ることを提案。
トーサンダーやノクスJr.、シルヴァ・マリアたちも結界維持のために力を貸すことになった。

深層に到着したデミアンたちの前に、ボロボロで消えかけのバオラムハバが横たわっていた。
バオラムハバは「会いたければ願え」と語り、深層もろとも静かに消滅していった。
気づくとデミアンとダーツは時の糸が縦横無尽に張り巡らされた時層空間にいた。
その時の糸の中に、無数の糸に絡まったフシールの姿が。
急いでフシールのもとへ駆け寄るデミアン。
しかしそれを妨害する者が現れた。深層使徒の二人である。

デロアーゴとリーニュゴは、フシールは次の世界で誕生するのを待っている段階であり
それを邪魔するのは律に反する行為だとしてデミアンに襲い掛かる。
自分と生きてきたフシールの時間を否定されたデミアンは怒り、
律を曲げるもの=混沌の力を発動して「フルメタルデミアン」に変身。
アズールも加わり、ダーツともどもデミアンを援護する。

そんな中、常々戦うことに疑問を感じていたダーツは剣を収め
「戦いは義務ではなく、抑制こそが未来を導く」という答えにたどり着く。
不完全だからこそ進化がある、だからそれで構わないと言いきるダーツにアズールも同意。
深層使徒は失笑しつつ彼方の世界へ戻っていった。

デミアンはようやくフシールにまとわりつく時の糸を切り離し救出…。
と思いきや、ここで今度はいきなりジョーカードが出現しフシールをさらってしまう。

ジョーカードは混沌の化身ゆえ、人々に心がある限り決して滅びることはないという。
しかも自分が楽しむためだけにちょっかいを出してくる相手なので「抑制」も効果が無く、
アズールもダーツも手出しのしようがなく困惑する。

ちょうどその頃、コーラルが作った超聖水の結界で天城京が満たされた。
モルグ・エデラの爆発を結界で封じ込め、膨大なエネルギーを別の時層へ受け流す作戦だ。
そしてモルグ・エデラの感情が昂ぶった瞬間、一気に臨界点を突破し大爆発!
すさまじいエネルギーの奔流が巻き起こり、結界が激しく揺さぶられる。
しかし源層界からロココ・マリアが、そして超聖神たちが降臨して結界をサポートしたことで
甚大な被害は出したものの、どうにか莫大なエネルギーを受け流すことに成功したのだった。

そしてなんと、この受け流されたエネルギーが偶然にも時層空間にいたジョーカードを直撃!
終滅+ミューテリオンの超弩級エネルギーをまともに受けたジョーカードは木っ端微塵になっていった。

フシールはデミアンの手の中で静かに目覚めた。
新たな種族「真星」として生まれ変わったフシールの時間は再び動き出し、
二人はもとの世界へ還っていった…。

天城京はすさまじい爆風でぼろぼろになっていた。
プロフェードは抜け殻のようになりながらもかろうじて生きていた。
しかしそれでもなお勝ち負けにこだわり、不敵な薄笑いを浮かべるプロフェード。
トーサンダーは自害を勧めるが、スラム育ちの彼には誇り高き死など何の意味もなく
切りつけたところを逆に心臓を貫かれ、最後まで自分の殻から出ることなく消えていった。

ゼウスとカーンはカヴォードの墓に詣でた。
カーンは初めて身の上を明かす。彼もまた「彼方」の世界の住人だったことを。
しかしそんなことは、この世界ではどうでもいいことだった。

ロココや超聖神たち、そしてシルヴァ・マリアらは自分たちの世界へ帰っていった。
アズール・ダーツも元の世界へ戻った。

一ヵ月後、チップは双子を出産した

世界は平和を取り戻した−−−。

 

登場人物紹介
・聖魔戦使デミアン 「オレは、今まで生きてきたフシールを助けたいんだ!」
悩み迷い苦しんだ末、ポーチの言葉でようやく動き出した聖魔戦使
カヴォードのスーツに仲間の武器と混沌発動で
「フルメタルデミアン」変身!
だけど結局モルグ・エデラとの戦いには加わらず。これがカヴォードの意志?

・無導士ジャッジ 「ならば、命は未来の神だ」
再びデミアンの夢の中に現れ、渡し損ねていた神裁刀を与える集中豪無の化身
パルージアの迷いの具象でもあるジャッジが、デミアンに命の未来を託した意味とは?

・天助ポーチ先生 「あたし、この世界で生きる責任、もってるつもりだもの」
デミアンにかつてタケルも悩み苦しんだことを聞かせる女教師聖守
しかしダーツから聞いただけにしては妙に事情に詳しすぎません?

・モルグ・エデラ 「なにもかも、手に入れた…ようやく、たどりついた。私は、時代に勝利した!」
沸騰するミューテリオンを取り込んで膨張・肥大化し「生ける爆弾」と化したプロフェード
ついには臨界点を突破し自滅、宇宙創世時の超新星爆発並みの大爆発を引き起こす!
結局は「神の力を制御できずに自滅した」ってことでファイナルアンサー?

・糖衣嬢 「なめたら! いかんぜよ!」
・893医師 「及ばずながらあっしらも力貸しやすぜ。」
・失投尉 「合点でさ。ポーチの姐さんもよろしゅおたの申しやす!」
凹十魔に乗って聖魔塔へ助太刀に向かっていた極道医者3人衆
モルグ・エデラに鉄拳攻撃を見舞うがぶよぶよボディには通用せず?

・凹十魔
乗り物。いつのまにかサイレンなんかつけちゃってます。

・ホーロー流氏 「直接攻撃は危険だ。こいつはどうにもつかみどころがない…」
幼少期をトリスダルナで育ち、霊精層から舞い戻った流れの魔守
得意の居合斬りでモルグ・エデラに挑むがやっぱり通用せず?


・グリニッジ神官 「命、あるいは心と神との二律背反の世界である宿命を背負っていたのかもしれません」
久々の出番が嬉しいのか、聞かれても無いことまでしゃべり倒す「時の管理者」
朗々とカヴォードの出自を語ったのち、歪曲天道(ワイプゲート)を開きデミアンを深層へ導く。

・ダーツィンヴォリア 「抑制。抑制こそが、心を持ち得た命があなた方を超越してゆく最強の剣になりえます」
今一度ダーツィンヴォリアから虹天使ダーツに戻り、デミアンとともに深層へ渡る心産みの神
迷いを認めたダーツは「戦いは必然でなく、抑制する心が更なる進化をもたらす」という答えにたどり着く。


・星騎使タケル 「そこに向かって、歩いていこう」
翔斬翼(ウィングスライサー)でモルグ・エデラを刺激し、暴発を誘発する聖魔和合界の輝ヘッド
戦いが終わり、デミアンを優しく包み込む。そういやブーメランハルベルトは返してもらったんでしょうか?

・ヒーリング・コーラル 「タケルちゃん! 私が!」
超聖水の力を使って結界を張り、モルグ・エデラ暴発のエネルギーを時層へ受け流そうと提案した聖守
以前と違い実体の状態で超聖水を使うのは初めてのはず…。それにしても超聖水ってここまで便利な力だっけ?
神の力を持ったのに平然と命の世界で生きている珍しい人。

・戦使トーサンダー 「お前に、もしまだ名誉や誇り、というものがあるのなら。ここで死ぬことだ。介錯は私がしよう」
・蓄音鬼神
・針飛び左助
自分たちの命を捨てても世界を守るべく、結界維持に協力する勇撃師団の面々
ねえねえ、ギルグリム伝師はどこに行ったのさー?

・ノクスJr. 「僕のことをのくちゅと呼ぶのは、どうかやめるようにお願いします。」
・シルヴァ・マリア
並列層代表とでも言うべき月転層&神樹層の戦士
彼らも結界維持に協力を申し出る。結局集まったみんなが協力することに。

・バカラ棟梁 「いよいよになったら、オレは目ェ開けるぜ」
・ピンゾロイド2号 「ラジャーゾロ、バカバカバカバカバカラ様!」
屈強の戦士が集う中、ちょっと影の薄い虹天銀河統一スーパーヘッド&その魔守
ゲンカクから受け継いだ「漢力」を発動し結界に力を与える。

・千舞道士・ウェイクアップガールズ・天使三羽ガラス・各益天女。レスQ天女3世・
鉄壁女王・ボンボリーダー・マルコネオン・サイバー司教

ここぞとばかりに持てる力を振り絞り、超聖水の結界を支える虹天銀河の勇士たち
この展開、次界卵編と似てますねえ…。

・ヘッドロココ 「タケルくん、もう間もなく、彼らも来る」
・シヴァマリア
命の世界の危機に、源層界より降臨し力を与える。ロココは結局アンドロココに戻れなかったのか…。
てゆーか、「神は命に干渉しない」という盟約は神が命のレベルに降格すればOKなの?

・アツィルト・フェニックス 「ロココ様。僕たちは決めたんです。守るべきものを守り、闘うべきを闘うと!」
・ベリアーアムル
・イエツィラーティキ
・アッシャーアスカ
再び命の世界を守るために舞い降りた現超聖神たち
サイバーテクターに身を包み、深層の力をフルに発揮し結界増強!

・大福太陽 「福ちゃんだってがんばっちゃいまーす!」
スマイル全開でプロミネンスを超聖水に溶け込ませる虹天銀河のお天道様
この人ってすごいんだか何なんだかよくわからないけど、この力って何なの??


・深層源浄バオラムハバ 「計画書の推移と共に彼方より見ている目からすれば我らもまた小さきもの。」
終滅の浸蝕で時間が生まれ、永遠がなくなり光を失い横たわる深層の神
最後の力でデミアンをフシールの元へ導くが、同時に深層そのものごと消えてゆく

・絶対全デロアーゴ 「やはり、命と心を経て神の座についたものには、律の重大性がわかっておらぬとみえる」
・絶対無リーニュゴ 「宇宙の全てが時の糸によって連鎖しているわけではない。彼方の向こうに、また異なる世界がある。」
「彼方」にいる彼らの主人の意志により、宇宙の「律」を厳守させるべく暗躍する深層使徒
神々の計画書の遂行を妨げるデミアンに襲い掛かるが、ダーツの導いた「解答」に引き下がる?

・冥王アズール 「お前たちとは、どこまで行っても平行線だな」
タケルと別れたのち、時層空間でデミアンのサポートに付いた冥王
全ての戦いが終わったのち、静かに無間冥王獄へ還ってゆく。

・ジョーカード 「全と無と点と線と! 私が宇宙の礎になるのでございますかーっ! かっこわりぃーっ!」
コロコロとポーカードになったり戻ったりしながらデミアンを愚弄する混沌の魔笑
人の感情を糧にして決して滅びない存在だが、ミューテリオン噴流に巻き込まれて木っ端微塵!

・フシール・コア 「…会いたかった…」
時の糸に捕らわれてこれまでの「時間」を抹消され、新たな存在として生まれ出る予定だったフシールは
その存在は天使でも悪魔でもない新種族「真星」として目覚め、デミアンとともに虹天銀河へ光還転(アークターン)


・剛昇プロフェード 「私は…ここから出てゆく…私は…勝った…!」
ミューテリオンが吹き飛んで抜け殻同然となり、ボロボロになりながらも生きていた聖守
未だ壊れた心は敗北を認めることもなく、スラム脱出を夢見ながらスラムに閉じこもり続けた哀れな存在

・ペチカイロ 「プロフェード様…!」
かつてその理想に共感し、ともに戦ったプロフェードの変わり果てた姿に涙する元・炎の牢獄


・スーパーゼウス 「なんとかなるよ、世界は。なんとかならんかったら、また、やり直すだけじゃて。」
カヴォードの墓でこれからの世界に思いをはせる元スーパーヘッドって、この世界に「墓」の概念はあるのかな。
結局ゼウスもカーンもカミゲノムの解放はしなかったんでしょうかね?

・シャーマンカーン 「深層に凍結されてなお世界を案じ、命が命であるようにふたつをわけようと闘い続けていたとは…」
「彼方」より遣わされ、神々の計画書の遂行を見守る立場にあるという超魂光守護星(ソウルレイ・ガーディアン)
そんな大層な人物のくせに、次界卵編ではテレビになって魂壷に落ちて…ってのはどうなんでしょう?

・超細工鈴愚者
世界が平和になるとどこからともなく現れ、鈴の音を響かせるというお守り原種
名前はかなりイカツイけど実体は馬型の土鈴。希少種族のくせにフラッと現れるなよー。

・ケーシー 「見送りに行かなくて、本当によかったの?」
いたのかよお前(爆)
天城京の病院で兄と会わずに別れたコーラルを気遣うお医者さん

・LOVEサー帝 「過去と訣別しなければ、これからを生きていく意味も見出せないような気がするから…」
聖牢閣付近で保護され助けられた元・真天聖軍
一度は絶望の淵に沈んだ彼女だったが、ドリップリマドンナの言葉でもう一度生きていくことを決意。


・新星次ホルーン
・新星次フリューデ
一連の騒動の一ヵ月後、チップが生んだ双子の姉妹
でも、ついこないだ(37話)の定期健診で双子だとわかったばかりにしては早すぎません?

 

現在位置

って、舞台は聖魔塔近辺と時層空間しかないから省略。

 

用語
◆神命断刃(フォーチュンブレーカー)
デストロッドを中心に、閃斬鎖剣・夢鉄砲・神裁刃が混沌によりひとつになったデミアンの武器。
正直、ここまでの武器である必要性はよくわからないしそれほど活用されてもいないのですが…。

◆彼方
深層よりもさらに遠い高次元の世界。深層使徒の二人やシャーマンカーンの出身地。
彼方以外にも宇宙層は無限の広がりがあるという。

◆神々の計画書(アカシックリポート)
彼方にいるという「未知の意志」が書き上げたらしい「世界の筋書き」。
この計画書どおりに歴史が動くように監視するのが深層使徒の真の役割だという。

◆超魂光守護星(ソウルレイ・ガーディアン)
神々の計画書の遂行を見守るべき役目を持つ存在。実力行使しないのが深層使徒との違い?

Check Point!
<未曾有の破壊を行った「一介の聖守」>

剛昇プロフェード
その
「剛昇」という造語は、立身出世を最大の目標としている彼のスタンスを意味しているという。

イリダールのスラムに生まれ、社会の底辺で生きることの闇の部分を味わってきた彼の人生は
たまたまスラムを訪れた
イリダールの女王パルージアとの接触で大きく変わる。
純真な女王が一瞬抱いた「嫌悪感」を感じ取ったプロフェードは、
そこにつけこんでこのスラムを抜け出すことを計画したのである。

猛勉強の末に大学を主席で卒業し、やがてイリダールの政務執行官に昇りつめ
パルージアの聖守の地位を手に入れたプロフェード。
「上のものが下のものに感じる嫌悪」「下のものが上のものに受ける屈辱」
これを嫌というほど知っていたプロフェードは、自分の地位を高めるため
そのためだけにあらゆるものを利用してきたのである。

クーデターを起こしてパルージアを追放し、イリダールのトップに立った彼だったが
基本的に
自分が中心で回りにあるものがスラム同然にしか見えない彼にとっては
現状は満足できるものではなく、聖祝宰ゴドブレスをも利用して
「神の力」を手に入れて
世界を変える力、スラムから脱出できる力を得ようと考えた。

こうしてゴドブレスに従うフリをしてずっと機会をうかがっていたプロフェードは
とうとう
ミューテリオンをその身に受け神の力を手にする。

しかしその力は、単なる一聖守にとってはあまりにも大きすぎた力であり
命の臨界点を突破したエネルギーは大暴発してしまった。

彼の野望のために、新紀元和合1960年の世界は大破壊を招き
虹天紀0027年の世界も集中豪無とモルグエデラ爆発のために荒廃した。

全てはたった一人の聖守がきっかけとなって起きた事件であった。

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