★一体何からの旅立ちなの?第三十九回

#39「旅立ち のウワサ」 2002/7/22

 

概略 登場人物 現在位置 用語

 

概略
パルージアの憎しみを浄化すべくデミアンが放った銀の波動はイリダール全土を包み込んだ。
銀の波動はパルージアに「残っていた心」を消してゆく。
だがデミアンの考えとは異なり、パルージアはそのまま完全に消滅してしまった。
怒りは心が生み出すものであり、その迷いの心そのものが
今のパルージアの存在でもあったのだ。

だが事態は終わってはいなかった。
パルージアの心の分身であるジャッジには「復讐心」がまだ残っているために
ジャッジはプロフェードに襲い掛かる。
デミアンは必死にそれを止めようと踏ん張り説得を試みる。ジャッジの心は揺らいでいた。
だが心が消えたことで本格的に神の領域に入ったパルージアの意志は、
ミューテリオンに宿って「命のさだめ」を変えようとし始めていた。
自分が受けた悲しみを繰り返さないよう、ミューテリオンの持つ転生の力で
全ての「命」を生まれ変わらせようとしているのだ。

神となり心を無くしたパルージアの意志に、勇撃師団はただ嘆くのみ。
一方でプロフェードを斬ろうとしていたジャッジはデミアンの言葉に惑いつつも
「この世界でお前は何を見てきた」との問いに「聖魔和合は幻」という答えを下す。

この答えに狂喜したプロフェード。だがその刹那、彼の命は断ち切られる
激情した紙芝居皇帝が剣を振り下ろしてしまったのだ。

その間にも、上空で渦を巻きながらミューテリオンが徐々に降下し続けていた

フシールは時の糸の力でミューテリオンを止めようと飛翔。デミアンも後を追うが
「ミューテリオンの洗礼をもって幻を消し去る」というジャッジが立ちふさがる。
フシールがジャッジに向かって夢鉄砲を放とうとしたそのとき、
突如カヴォードの声が遺伝子を介してデミアンたちに響き渡った。

カヴォードはそのままフシール出生の秘密と目的を語りだす。
神と命の世界を分断するために神の子であるフシールを隠す必要があったこと。
さらに神と命の境界をなくそうとするパルージアの怨念を止めるには、
喜びの心をもってパルージアが再びミューテリオンに沈まねばならないこと。
そしてそのためには、パルージアの存在をもう一度作り出す必要があり
代償としてジャッジとフシールの存在を犠牲にしなくてはならないということ…。

デミアンには到底納得できるはずのない論理であったが、
「使命」を受け入れる悲壮な決心をしたフシールはデミアンに別れを告げ、
ジャッジとの融合という道を選ぶ。

黒いミューテリオンが黄金に染まり、浄化されていく…。

そしてその中から、フシールの「命」とジャッジの「心」から生み出された
新たなる「慈帝妃パルージア」
が金色の光をたたえながら舞い降りた。
だが次の瞬間、ゲンカクの一撃がパルージアを貫く!
嘆く勇撃師団。「これでいいんだ」とつぶやくゲンカク。
だがカヴォードへの憎しみに心を曇らせるデミアンはもはや何の感情もわかなかった。

ところ変わってトリスダルナ
純魔殿にやってきたアクスヴァイ王は、突如何者かの狙撃を受ける…。

 

登場人物紹介
聖魔戦使デミアン 「フシールが消えるなんてオレは絶対絶対絶対認めないぞ!」
銀の波動の浄化能力でパルージアの憎しみを消し去る聖魔戦使
カヴォードの勝手で冷酷な理屈に激しく反発するが…。

煌魔使フシール 「嬉しいこと、楽しいこと、いっぱいあったわ。デミアン。未来からずっと好きよ」
カヴォードによって無間冥王獄に落ちることなく護られていたパルージアの娘
世界を救うために自らの
「使命」を受け入れ、その命を差し出しジャッジとともに消滅…

・ゲンカク番長 「これでいいんだ」
迫り来るミューテリオンに「命のエネルギー」である漢力で立ち向かう悪魔。
神の理屈に我慢ならない彼は、再生したパルージアへけじめの一撃を?

・勇闘サンダー 「戦使の遺伝子…なぜこんな残酷なことが出来るんですか!」
翼が無いためフシールたちのもとへ行けないことを嘆く戦使の少年
なまじカヴォードの話が聞こえるために余計苦しむ。

・紙芝居皇帝 「あの男を、神の領域に裁かせるわけにはいかん!」
激情にまかせてプロフェードの命を断ち切った非戦闘系悪魔
この出来事がやがて彼の人生を大きく変えることに…。

鬼望パルージア神精 「呪わしきは…命…神…」
命を捨て神となったイリダール女王。銀の波動で消滅したものの
形なきその意志はミューテリオンに宿り転生の洗礼を実行!?

無導士ジャッジ 「我、見たものは幻。聖魔和合は、幻」
実は「パルージアが捨てた心」の化身であるとわかった生ける死者。
生きたいと願うその「心」はフシールの「命」と結びつき、やがて慈帝妃の姿へ…。

剛昇プロフェード 「これですよ! これこそがすばらしいことだったんです!」
囚われの状態でも何故か薄ら笑いを浮かべる真天聖軍第一天位・聖翼使
あのパルージアが聖魔和合を否定した!と悦びに打ち震えた瞬間、彼の首は宙を舞う

・探出武者 「汗か。懐かしいな。よく、あの方が仰っていた」
・蓄音鬼神
・針飛び左助 「あの水で…自分たちを洗うというのですか…パルージア様…」
・火消子爵 「師団長! そいつぁねぇでしょう!」
命ゆえ持ち合わせた幾多の感情を失ったパルージアに深い悲しみを覚える勇撃師団
襲い来るミューテリオンからイリダールを守ろうと奮起するが…。

・ギルグリム伝師 「パルージア様の迷いがそのまま、ミューテリオンをはさんで命と神の現状に重なってならない。」
こんなときでもあわてず騒がず冷静なイリダールの元・首席政務長。
聖と魔、喜びと憎しみ、神と命、それぞれは相争う存在?

・戦使カヴォード 「だが残念ながら、これは私が描いた絵図にすぎない。」
遺伝子を通じてデミアン・フシール(・サンダー)に語りかける「はじまりの戦使」
フシールとジャッジを生贄にすることを「必然」と言い放ちデミアンの怒りを買う。


・深層源浄バオラムハバ 「命が、余を蝕んでゆく」
命の力である「終滅」が侵食している深層にて、金色の体をくすませながら漂う深層神
神にあるまじき「心」が生まれだし、生じた「時間」が神を命に戻す??

特異転グランデロア 「情をもてば野に下らねばなりますまい」
特異仙グランリーニュ 「あのシャーマンカーンのように」
消失しつつある深層において、何故か全く終滅の影響を受けない深層使徒
カーンは「情を持ったことで野に下った神」なのか?

・アツィルト・フェニックス 「お前の企みは終わった。ミューテリオンは終滅を拒否した!」
・ベリアーアムル

・イエツィラーティキ 「なんだって構うことはないさ」
・アッシャーアスカ
ミューテリオンが黄金に変わったのを見て自信満々に叫ぶフェニックス。
こんなキャラだっけ?アムルとアスカは今回もセリフ無し。

・冥王アズール 「風向きが変わった」
・虹天使ダーツ
そして彼らも出番はほとんど無し。

聖祝宰ゴドブレス 「命は、どこまでも抗うものです。」
状況が変わっても全くたじろかない真天聖軍絶対天使長
今週もこちらのバトルは膠着状態。

・スーパーゼウス
聖魔塔では通信が回復せず混乱状態!というただそれだけ。
事件は会議室ではなく現場で起こっています。


・戦使トーサンダー 「魔法層よ。我に力を」
タケルの父であり、勇闘サンダーの虹天紀0027年の姿
巨大な魔法力を自在に操り、命のエネルギーで集中豪無に挑む!

・バカラ棟梁 「言ってくれるじゃねえか」
・星騎使タケル 「父ちゃん!」
それぞれ自分の身を投げ打って集中豪無に挑む決心をしていたが
割って入ってきたトーサンダーにおいしいところを持っていかれる

・消防子爵 「みな、集結しています、トーサンダー!」
超長距離型梯子車に乗ってトーサンダーを助けに来た元・勇撃師団
火消子爵の頃とは口調が変わった?でも相変わらず子爵のまま。


慈帝妃パルージア 
フシールの持つ「命」とジャッジの持つ「心」、そして「二人の生きた時間」により
黄金のミューテリオンの中から蘇ったイリダール女王
。でも次の瞬間死亡。


アクスヴァイ王 「おう! 今日のワシは機嫌がいいんじゃい!」
ホアノモスと会うために合天明星島からトリスダルナへ上陸したフラシェルの豪腕ヘッド
しかし不意に背後から狙撃され、
蜂の巣状態となり消滅!

・裸身バンプ
混沌の問題をホアノモスと協議すべくアクスヴァイ王に同行してきた女性悪魔。

・真黒騎士 「ようこそトリスダルナへいらっしゃいました。」
トリスダルナではホアノモス派の一人である女性悪魔。
ホアノモス同様、何か裏がありそうだが…?

 

現在位置

・イリダール
デミアン・ゲンカク・サンダー・紙芝居皇帝
(フシール)・(ジャッジ)・ギルグリム伝師・
探出武者・蓄音鬼神・針飛び左助・火消子爵・
(パルージア)・カヴォード・ピンゼロイド改
(プロフェード)

・聖魔和合界の海上
フェニックス・ティキ・アムル・アスカ
アズール・ダーツ
ゴドブレス

・トリスダルナ
(アクスヴァイ王)・裸身バンプ・真黒騎士

 

用語
Check Point!
<パルージアの意志とカヴォードの計画>

まだ「命」であった頃のパルージアには「心」があったので、
プロフェードを憎む心それを否定する心悲劇を悲しむ心がありました。

しかし「神」となったパルージアにはそれがありません。
あるのは神となる前に誓った
「さだめを変えたい」という願い。
ここでの「さだめ」とは、わが子が生まれる前に殺されたことが「運命」であり
「命が命である限り、死や悲しみを避けることはできない」という「宿命」。
これを変えるには、命が命でなくなり心をなくすことが必要になります。
(その「迷い」が生み出したのが集中豪無であり、
迷いの答えを出すために生み出されたのがジャッジ…かな?)

それを可能にするのが「転生の力」を持つミューテリオン
パルージアの意志は、
ミューテリオンで世界を満たし全ての命を洗礼することなのです。

一方、それを防ぐためにカヴォードが計画したのは
「憎しみを持ってミューテリオンに沈み転生したパルージア」を
「命」に戻すこと
そのためには「喜びを持ってパルージアが再びミューテリオンに沈むこと」
が必要条件となるそうです。

そのためにはすでに失われたパルージアの肉体を補う必要があります。
そこで、
「パルージアが転生するときに捨てた心」「パルージアにつながる命」
が要求されました。
それがジャッジであり、フシールでした。
「それぞれが生きた時間が、喜びを作る」

かくして二人を生贄として「喜びのパルージア」が作り出され、
ミューテリオンは浄化されて世界の危機は回避されたわけなのですが……。

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