★終末が始まる!第三十三回

#33「命の黄昏、神の救済! のウワサ」 2002/6/7

 

概略 登場人物 現在位置 用語

 

概略

時層空間にて、迫り来る未知の意志から聖魔和合界を守るべく一人で結界を張っていたシヴァマリア
空間内に恐るべき大量の「悪意」が流れゆくのを感じていた。
そのとき、不意にマリアの前にジョーカードが出現!
圧倒的な悪意エネルギー「終滅(ネクロノン)」の圧力で結界ごと押しつぶされたマリアは意識を失ってしまうが
そのとき危ないところで現れたW仏KINGがジョーカードを追い払い間一髪救われる。

ビート神殿では、ギルグリム伝師の長い話を聞き終わったデミアンがまたしても怒りに震える。
そしてパルージアの身に今現在起こっている「思わぬ事態」
「迷い」を抱えたまま神になろうとしたその心が膨大な苦しみに襲われ、ミューテリオンを通じて
あらゆる悪意を呼び寄せる巨大な怒りになってしまったというのだ。

デミアンはミューテリオンに落ちかけたときに見たパルージアの姿を思い、そのときの記憶を呼び覚ます。
するとそのままデミアンは実体ごと「深層との盟約が果たされた瞬間」へ飛ばされる。
深層神の導きで、同じく呼ばれたコーラルともども時空を越えて「集中豪無のはじまり」を見せるためなのだ。

はじまりの刻、深層源浄バオラムハバの呼びかけはパルージアの傷ついた心を大きく揺さぶる。
命の未来と希望を失ったパルージアは、命あるものに与えられた「さだめ」を変えるため
神の力を求め命と情を捨てる決意をする。しかしそこに愛と怒りの間で揺れ動く迷いがあった。
それこそが「迷いの闇」。バオラムハバがこの光景をデミアン達に見せたのは、
その迷いが呼んだ集中豪無が神の手にも負えず命に託そうとしたためだった。

命の問題は命で片付けりゃいいんだろと考えるデミアンは、再びビート神殿に戻りジャッジを連れてミューテリオンへ向かうことに。

一方、ドルフィン王の海底城
目を覚ましたLOVEサー帝ドリップリマドンナの介抱に気づき悪態を放つ。
ドリップリマドンナの優しさは偽善だと罵るLOVEサー帝は、迷いを抱えながらも真天聖軍に戻ると言い張っていた。
そこへLOVEサー帝を「救出」するため、単身プロフェードがドルフィン王とバサロボットを軽く蹴散らし乗り込んできた。
ドリップリマドンナも応戦するが、ゴドブレスから理力を授かり「天智昇プロフェード」へとパワーアップしたプロフェードには
射断スキャットも全く通用せず返り討ちにあい、LOVEサー帝も心を開くことのないまま去ってしまう。

そしてミューテリオン深奥
銀色波動と集中豪無モドキに包まれてコーラルの待つ場所までたどり着いたデミアンとジャッジだったが、
この二つのエネルギーが巨大な負性質を帯び終滅を加速させていたことには誰も気づいていなかった。
金色に光る白百合の花弁に包まれたパルージアの姿は、急速に浸透しだした終滅に覆い隠されてゆく…!

 

登場人物紹介
シヴァマリア 「この私が、自分の痛みをかわすために宇宙に痛みをバラまくとでも?」
アンドロココとの約束で、「正体不明の謎の意志」を牽制するため時層空間で結界を張りつづける源層界の神
しかしその結界が終滅に押しつぶされ
大ダメージを受けてしまう。しかしさすがマリアはカッコいいなぁ。

ジョーカード 「知るも知らぬもお前と私。わひゃひゃひゃ!」
時の糸の「染み」カオスの化身たる永遠の道化!
終滅の流れを読み、邪魔なシヴァマリアを排除しようとするがW仏KINGに妨害されわひゃわひゃと逃走。
深層との盟約を破り、全時層を終滅で満たすのが目的??

創造界帝W仏KING 「超聖神より五造大神の栄華賜る者なり」
カリユガと相打ちになったと思われていた五造大神の一柱・心産みの神。(もちろん過去の話です)
マリアの危機を颯爽と救う姿、妙にいい役回りじゃないですこと?(笑)
(でも物語において、マリアを源層界に送り届けたのち再登場せず。)


・聖魔戦使デミアン 「いーよいーよ、命のことは命でやるからさ。」
ギルグリム伝師のひたすら長い話に怒り震える聖魔戦使。(って話が長いから怒ったわけじゃないよ。)
バオラムハバに呼ばれパルージアの盟約シーンを見て、パルージアの心情に思いを馳せる。

ギルグリム伝師 「命あるものにまとわりつくしがらみを超越せんとする莫大なる悪意へと成長を果たして!」
子供相手に平然と小難しい話を繰り返す偉そうな元・イリダール首席政務長。深層とも何か関わりがあるらしい。
何世代にも渡ってイリダールの王に仕えてきたのならむしろ深層関係者なのが当然な気もしますが…。

・ゲンカク番長 「気にいらねぇなァ!」
神様連中の手前勝手な言動にストレスたまりっぱなしの悪魔(ただし未婚の父)
神が嫌いで荒々しいゲンカクと神に仕え冷静沈着なギルグリムとはソリが合わないようで。

無導士ジャッジ 「我は、その者より生み出されたのか」
相変わらず何を考えているのかわからないだんまり坊主。集中豪無モドキ(黒いプラズマ)は自分の意思で出せるらしい。

・煌聖使フシール 「どんどん遠くにいっちゃうような真似しないで」
神秘ゾーンに来てから言いようの無い胸騒ぎを感じて仕方が無い戦使の少女
唐突にギルグリムから問いかけられた「天使ではありませんね?」という質問に理解不能??

・紙芝居皇帝 「我々がここ生きる意味が、集中豪無にまつわってわかるかもしれないんだ」
天使と悪魔の命題に関する話になると他のものが見えなくなるほど思い入れてしまうおじさま悪魔
これだから学者って奴は(笑)

深層源浄バオラムハバ 「ただ願え。ただ一言。『捨てる』と」
深層養基亜神と飛竜を使って、デミアンを深層に召喚した深層神
パルージアの神への転身に関与。その弊害で集中豪無が発生し手に負えなくなる。

ヒーリングコーラル 「せめぎあってる心のままで、神の無になれて?」
パルージアを「迷いの闇」から解き放つために深層に呼ばれた癒し系聖守
そういやデミアンは「オレたちの先生」って言ってたけど、コーラルは病院の先生であって学校の先生じゃないよね?

慈帝妃パルージア(1年ぐらい前) 「心あることも憎らしいのです。命あることも憎らしいのです!」
子供を失った慟哭が深層に届き、使徒の誘いを受けて神への転生を望むイリダール女王
律する心と叫ぶ心、慈しみと憎しみとが暴走し、転生時に捨てたはずの「心」に宿る迷いが集中豪無の闇を呼ぶ!

・時幽心コマチ 「深層においても神と命を救わんとする動きが?」
「命の力こそ、神々に対抗するもっとも有効な手段でもある」と考えるギルグリム伝師により、霊精層から連れ出された死せる悪魔
しかし既に状況は手遅れで役立たず。まぁおかげでバカラが生まれてくるわけですが…。

・グランデロア&グランリーニュ 「願い聞きとどけられますれば、ミューテリオンの種子お与え下さいますよう」
怒り悲しみに狂えるパルージアに手を差しのべ、神への転生を果たすべく深層神の元へ連れ出した深層使徒


LOVEサー帝 「わたくしが生きていられる証をくれたのは、愛をくれたのは、聖祝宰様だけなのよ!」
ジャッジとの戦いで負傷して気を失ったのち、運び込まれたドルフィン王の海底城で目を覚ました真天聖軍聖讃使
単身介抱していたドリップリマドンナに対し、その優しさを否定し激しく反発する。
一番大きな愛を見失った彼女は、一番身近なところで見守る小さな愛が見えず彷徨うばかり…。

・ドリップリマドンナ 「そんなふうに自分を貶めないで…」
かつての親友を必死に介抱するが、LOVEサー帝のかたくなな心を開くことはできず打ちひしがれる歌姫天使
しかしアンタもはっきりしない態度だから誤解されるんだよねえ。優しくするって難しいよね。

バサロボット 「はやー、あんさん誰さー」
と言って侵入者を警戒した途端にあっさり破壊されちゃった海底城のガード聖守

ドルフィン王 「誰らて…誰らてば…」
バサロボット同様、侵入者にあっさり打ち据えられて気絶しちゃった海底城城主

・剛昇プロフェード 「集中豪無は、いずれゴドブレス様のものとなるのです。」
ゴドブレスの威を借るプロフェードは天智装衣(ウィズダムクロス)を身にまとい武装化!
狡猾な頭脳に加えて恐るべき防御力と的確な攻撃力を身につけ、ドリップリマドンナから希望を奪い去る!

・慈帝妃パルージア(現在) 「タ…ス…ケ…ル…」
ミューテリオンの海の底で、神に転生するために眠りについていた「迷いの闇」
金色の白百合の中から見えたその姿はデミアン到着後急速に終滅の黒い影に飲まれてゆく…。

 

現在位置

・神秘ゾーン
デミアンとジャッジは眼下のミューテリオンの海へ飛び込む!その奥に身を沈めたパルージアに会うために。

・深層
オーロラに似た光のカーテンが渦を巻く空間。時間の概念が無いため、過去も現在も深層神の意志次第な世界。
「一切の情を断ち切ってこそ到達できる高次の領域」とのことだが…。

・ドルフィン王の海底城
海の消えた亜空間を漂う不思議な城
そこに転移出現したプロフェードにより、ドリップリマドンナは倒されLOVEサー帝はアレグリアへ…。

 

用語
◆終滅(ネクロノン)
あまたの時層に長い年月の間積み重なり凝縮された膨大な「悪意と負性質のエネルギー」
パルージアの慟哭に共鳴して集まりだし、集中豪無に力を与えるという。

◆天智石(ウィズダムストーン)
プロフェードがゴドブレスから授かった、ゴドブレスの理力が込められた輝石。
これをかざすことで天智装衣(ウィズダムクロス)というプロテクターがプロフェードを包む。

Check Point!
<神になろうとしたパルージアの願い>

深層神バオラムハバの言葉は常に抑揚が無くただ質問するのみ。
これは
神には「心」も「感情」も無いためだといいます。

「神は、その強大な力を執行するがゆえに心を捨てた。命を捨てた。
至高の存在として君臨するために、善悪さえも持たない。はじめからそういった概念がないのだ。
あるがままの命の叫びを聞き届け、最後の判断すら、命に託そうとしている。」

その逆に、「命」は心を持ち有限なるがゆえに豊かな生を享受する存在

パルージアは、命が有限であるという「さだめ」を断ち切るために自ら神となる道を選ぶ。
不条理に我が子の命が失われたこと、それが「さだめ」であるならば「さだめ」を変えたい、と。

しかしパルージアの心では、愛と憎しみが未だ葛藤を続けていた。
その「迷い」が神となるためには邪魔だった。神には心が不要だから。

「迷いの闇」は集中豪無を生み出し、さらにジャッジを誕生させた。
しかしその迷いが
悪意エネルギー「終滅」を呼び込んだことをデミアンはまだ知らない…。

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